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災害の多様性「スロー・スリップ?」

我が千葉県では、わりと大きな地震が連続していて、「弱震連続の後に大地震が発生する→能登半島地震に至る」までの地震発生経緯と似ているような気がします。

千葉県東方沖はフィリピン海プレートと太平洋プレートのふたつが陸のプレートに沈み込んでいて、複雑な地下構造をしており、変動が発生しやすいのです。2018年にも今回の震源に近い領域で地震が多発し、7月にはマグニチュード6.0、最大震度5弱の地震が発生しました。

今回の地震は、震源の深さがいずれの地震も約30km前後で、地震のメカニズムは北北西ー南南東方向に圧力軸をもつ逆断層型と解析されています。震源の深さやメカニズムからフィリピン海プレートの上面付近で起きたと考えられます。

それではこれから千葉東方沖を震源とした大きな地震が発生するのでしょうか? 過去に千葉県東方沖で発生したWikipedia「千葉県東方沖地震」(1987年)を参照しました。

1987年に発生した「千葉県東方沖地震」では、千葉県の広範囲で震度5の強震を記録し、千葉県総務部消防防災課資料によれば死者は2名、重傷26名、軽傷118名、建物全壊16棟、半壊102棟、一部破損6万3692棟、火災3棟を出した。山地崩壊 102箇所。被害の中心は千葉県でしたが、神奈川県の三浦半島でも斜面崩落による自動車の埋没などの被害が発生しました。

関東地方では比較的広い範囲で大きな被害が発生した地震としては1923年の関東地震およびその余震である1924年の丹沢地震以来であり、その点でも当時、注目を集めた地震でした。地震により道路の陥没・傾斜地の崩壊・屋根の崩落やブロック塀の倒壊などの住宅被害が、千葉県九十九里浜沿岸地域を中心に発生。また、九十九里浜沿岸・東京湾沿岸・利根川流域沿岸などでは液状化現象により被害が発生しました。

当時は、各市町村に自動計測機器(計測震度計)が設置されていなかったために最大震度5とされていますが、震源地に近い自治体では、被害状況から、現在の震度レベルで震度6弱以上の揺れを観測していたと推測されています。

昨日2月29日から千葉県東方沖を震源とする地震が多発しています。昨日29日昼前から夕方にかけて最大震度3の地震が3回発生。

その後、今朝にかけて最大震度4の地震が2回発生しました。昨日29日18時35分頃にはマグニチュード4.9の地震が発生し、千葉県大網白里市で震度4を観測。今日3月1日5時43分頃にはマグニチュード5.2の地震が発生し、埼玉県さいたま緑区や千葉県東金市、山武市、大網白里市、一宮町、白子町、長南町、市原市で震度4を観測しました。

上記tenki.jpリンク先から転載
tenki.jpから

今回の千葉県東方沖地震は、「スロースリップ」(スロー地震)という現象から生まれたものだというニュース報道がありました。スロースリップというのは文字通り“ゆっくりすべり”という意味で、断層がゆっくりと動いて瞬間的に地震波を放射せずにひずみエネルギーを解放するという特殊な現象のことです。

通常ならば断層が1秒間に約1キロメートルほど滑り、地震波を放射する(スロー地震に対してファスト地震と呼ばれる)のですが、スロースリップはゆっくりとひずみエネルギーを解放して地震を発生させるのですね。

地震とは、地下の岩盤に蓄積されたひずみエネルギーを断層のすべり運動により解放する現象です。通常の地震では、断層が高速(1秒間に約1m)にすべり、地震波を放射します。一方、スロースリップ(ゆっくりすべり)と呼ばれる、ゆっくりと断層が動いて地震波を放射せずにひずみエネルギーを解放する特異な現象が、2000年代初頭から日本で稠密な観測網により検出されるようになりました。その後、日本だけでなく、世界中のプレート境界においてもスロースリップの検出が相次ぎました。現在では、プレート境界の断層では、スロースリップと高速なすべり(通常の地震)の両方が発生していて、お互いに影響を及ぼしあっていると考えられています。
プレート境界で発生するスロースリップは、さらに短期的スロースリップと長期的スロースリップに分けられます。短期的スロースリップは、およそ数日間かけて発生する現象で、東海地方や四国地方では数か月に1回の頻度で発生していることが知られています。また、長期的スロースリップは、数か月から数年かけて、プレート境界がゆっくりすべる現象で、東海地方や四国地方では、過去に繰り返し発生していたと推定されています。また、短期的スロースリップや長期的スロースリップが発生しているときには、深部低周波地震活動が活発になると言われています。
スロースリップイベントは、ひずみ計、傾斜計、GNSS観測などで検出することができます。また、水準測量のデータなどから、過去のスロースリップイベントを見付ける試みも行われています。一方で、スロースリップイベントが高速なすべり(通常の地震)に与える影響などを、数値シミュレーションによって明らかにしようとする研究も進められています。

地震本部「スロースリップ」を全て転載

スロースリップに関しては下記リンクの「Wikipediaースロースリップ」が詳しいのでご参照ください。

スロースリップは、今後の災害を引き起こす要因となるのでしょうか?

スロースリップによる地震は直接被害を発生させるものではないものの、巨大地震を引き起こす関連性があると指摘されており巨大地震に与える影響など研究が進められています。実際に2011年に発生した東日本大震災では、本震が起きる2カ月ほど前からスロースリップが起こっていたことが研究結果で明らかになっており、巨大地震の引き金となった可能性があると言われています。
気象庁では、南海トラフ巨大地震の震源域で通常と異なるスロースリップが観測された場合、巨大地震の発生する可能性が高まっているとして「南海トラフ地震臨時情報」が発表されるようになりました。また地震への常日頃の備えとして、ヤフーが提供するアプリ「防災速報」では緊急地震速報だけではなく、地域の避難場所を確認できる「避難場所マップ」や「防災手帳」では地震発生時の正しい行動や知識を確認することができます。いざというときのために今一度確認しておきましょう。

ソフトバンクニュース「スロースリップ」より

日本は発生頻度の高い災害国ですから、常に想定外の災害が発生する危険があります。想定外であるからこそ大きな被害が発生してしまうのです。職場だけでなく、家庭にも家族分のヘルメットと踏み抜き防止中敷きを敷いた安全靴を用意した方がよろしいかと思います。





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