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無責任カルチャースクール講師

地元でカルチャースクールの講師をはじめてから今年で10年目になりました。地元(継続中)と茨城県取手市(終了)、千葉市鎌取(終了)と3校を担当して、その間に松戸でも自分史の私塾を開きました(2年前に終了)。他校でも開校しようとしましたが予定数に達しなかったなど「文章コミュニケーションの場」づくりに紆余曲折がありました。

結局、地元校だけになりましたが、歩いて行ける距離にあるので交通費もかかりませんし、自分なりに努力して講師を務めております。

スクールで行なうのは文章アドバイスだけではありません。冒頭に受講生さんひとりひとりに近況を話していただき、人前でわかりやすく話す力もつけてもらおうとしています。「文章は“わかりやすく書く”が基本ですから話す力も大きく影響すると考えています」と言う僕は、実は話す力が弱いのです。だから文章もわかりやすく書けません。ダメダメなのです(笑)。

「自分がダメなくせに人に教えられるのか?」という質問もいただきますが、「大丈夫です」と答えるしかありません。言い訳に思われるかもしれませんが、世の中には不完全な教授に教師や講師、教官…なんて人がたくさんいます。経歴詐称なんかしても平気な顔をしてやっているのです。あ、政治家なんてその代表選手でしょう。まあ、政治家に比べればまだマシだと思っているからやっています(笑)。政治家なんてのは何もしないのに税金で食べているわけですから士農工商的、カースト制度的に言えば、最下級の身分だと考えています。

おっと脱線しました。これが文章下手の所以です。文章を書く際には脱線せずにワンテーマを貫ましょうね。

カルチャースクールでは文章授業よりも雑談コミュニケーションの方の時間が大半を占めています。いつの間にかそうなっちゃいました。その雑談では話を聞いているだけでなく、持参しているパソコンでにメモっています。

雑談では受講生さんから文章執筆に関するものだけでなく、色々な質問をされちゃいます。ですからこちらは多様な知識を備える必要があります。幸いにも僕は多趣味なので、大抵の質問に答えることはできていますが、知らないことは知らないと言って、その場でパソコンで調べます。

昨日の講座では、一番若い50代の受講生さんが「歯医者に行った話」「年末に九十九里浜に行ってサーフィンの五輪会場を見た」「初めて雑煮の丸餅を見た」という話をして、和食レストランで働く70代の受講生さんは「年末年始の厨房パート仕事が大変だった」「おせちセットが売れなかった」という話をしてくれました。最年長の80代の受講生さんは「船橋の小さな神社に初詣に行った」「お供え餅の中に小さな餅が入っていて驚いた」「地元のマンモス団地のそばにある小川のクレソンを採って食べた」という話をしてくれました。

それぞれの話では、受講生の皆さんが「へえ…」「そうそう」「ええっ?」なんて反応して、話が長くなるんですね。気がつけば1時間30分の講座のうち40分を占めちゃっていたんです。驚いて文章講座の本題に入りましたが、結局、10年やっていても、時間配分が難しいのです。

肝心の文章講座は「感想文の書き方3回目」でしたが、充分な講義ができずに終わりました。でも受講生さんたちは「自分たちの言いたいことを話せたことで」実に満足そうなんです。

なんだか申し訳ない気もします。



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