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湯島の夜「ブライト・バーンとビリー・アイリッシュ」

僕は2004年頃から「湯島の夜」というタイトルのブログを書いていました。これは好きな音楽について書いていたもので、ドイツのクラウト・ロック、英国のプログレッシブ・ロック系統の音楽が好きで、大量のCDを購入して(経済破綻により転売しましたので今はコピーしたCDとiPodしかありません。でも数は凄いですよ)その感想をまとめていたのです。

改めて、ここで音楽・映画などの感想をまとめていきたいと思います。

今回はビリー・アイリッシュのことなのですが、まずは映画「ブライト・バーン」のことから…。2019年公開されたSFホラー映画です。

舞台はアメリカ中西部のカンザス州ブライトバーンという街です。ある日の晩、ブライア夫妻が営む農場に宇宙船が墜落します。宇宙船の中には赤ん坊がおり、夫妻は彼にブランドンと名付けて自分たちの子供として育てることにします。12年後、ブランドンは自分に人とは違う能力が備わっていることを自覚し始めます。そんなある日、ブランドンは納屋で異星人の言語で何か書かれている宇宙船の残骸を発見しました。

それからブランドンは夫妻に反抗的な態度をとるようになります。それは人間が成長する過程の反抗期的なものではないことに気づいた夫妻は、ブランドンが「宇宙から来たモノの本質」に恐怖を感じるようになり、遂にある決断をするのですが…。

https://www.youtube.com/watch?v=bWjNanD1KPY

映画は、ブランドンの宇宙人としての異質な能力だけでなく、目を覆いたくなるような彼の残虐ぶりに帰結して終わるのです。異世界から来た超能力者というのは、殆ど正義のヒーロー(アメリカだけ守るという)なんですが、この作品ではそれがスーパーマンのような正義のヒーローではなく、邪悪な奴だったら…という設定なのでしょうね。それにしても、育ててくれた恩人たちに何をするんだって怒りを覚えちゃいましたね。

映画のエンドロールには、この作品のために作られたようなノイジーで陰鬱な(ただし、ビートがきいています)曲が流れるのです。それがビリー・アイリッシュの「バッド・ガイ」なんですね。この曲が僕の好きなインダストリアル・ノイズっぽくて、もしかしたらスロッビング・グリッスルかサイキックTV…の親玉であるジェネシス・P・オーリッジとか、80年代にノイズからポップになった際のSPKの復活?ああ、そういえば昔、BOXセット持ってたなぁ…なんて懐かしさがこみ上げて来ちゃってさ、でも、きっと現代のアーティストなんだろうなんて調べてみると、ビリー・アイリッシュっという若いオネエチャンでした。

https://www.youtube.com/watch?v=LuRbYG3YMhE

僕は、80年代でロックは終了しちゃってると思う偏見野郎なので、90年代からロックなんて真面目に聴いちゃいなかったんですね。それに、90年代には60~80年代ロックの再評価と紙ジャケの最盛期でさ、リアルタイムのロックなんて聴く気がなかったんですね。その後も昔のロックしか聴かないから、新しいロックというか大衆音楽に関しては何も知らないのですね。

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さて、ビリー・アイリッシュは、2001年にロサンゼルスに生まれました。幼い頃からビートルズを聴いて育ったといいます。ビートルズから音楽的な影響を受けたのですね。こういうアーティストは多いですよね。殆どと言っても良いくらいです。

ちなみに僕はビートルズには何の影響も受けなかったですね。1957年生れのシラケ世代ですからね(笑)。聴かなかった。あ、でも当然、ビートルズに影響を受けた人から影響を受けるということはありますけどね。ビートルズのCDは持っているものの、ビートルズの調べ物をするとき以外は聴きません。

以下、「When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」CDのライナーを参照しました。

ビリー・アイリッシュは、8歳の頃からロサンゼルス少年少女合唱団に所属し、10代には本格的に楽曲制作を始めます。2015年には初の楽曲「オーシャン・アイズ」を完成させ、翌年にネット配信を始めると、あっという間に数百万回という再生数を記録し、メジャー契約を行います。2018年にはBBCが選ぶ「BBCミュージック・サウンド・オブ2018」、ビルボードの「次にブレイクする21歳以下のアーティスト」に選出されました。2018年には日本のサマーソニックに来日出演します。そして遂に、今年、ファーストアルバム「When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」がグラミー賞を受賞するのですね。

ビリー・アイリッシュは、オルタナティブロックの継承者だと思うのですが、オルタナティブのダークな世界からしゅるしゅると引き上げてくれる“蜘蛛の糸”のような一抹のPOPさがグラミー賞を受賞してしまう要因なのでしょうね。

あ、「バッド・ガイ」は、日本のドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」のエンディングにも使用されています。





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