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災害の多様性「台湾地震による津波災害」

台湾で大きな地震(M7.5のちにM7.7に訂正、震度6強)が発生しました。その影響が沖縄地方に出ています。沖縄の与那国島で震度4、近隣の沖縄地方の島々でも震度3の揺れでした。

台湾では2022年9月にもM7.3の強い地震がありました。

2022 年9月18日15時44分に台湾付近の深さ3kmでM7.3の地震「台湾地震」(日本国内で観測された最大の揺れは震度1)が発生した。この地震の発震機構(CMT解)は、北北西-南南東方向に圧力軸を持つ型である。気象庁はこの地震に対し、同日15時49分に宮古島・八重山地方に津波注意報を発表した(同日17時15分に解除)。なお、この地震による津波は観測されなかった。 今回の地震による日本国内の被害はなかった(総務省消防庁による)。台湾では、少なくとも死者1人、負傷者140人以上などの被害が生じた。

気象庁の記事PDFから転載

2022年のエコノミスト10月24日の連載記事「鎌田浩毅の役に立つ地学」に「琉球海溝と南海トラフで揺れが連動するM9級地震の懸念も」という記事がありました。これは同年9月に発生した台湾地震を解説したものでした。

台湾の東部で9月18日、マグニチュード(M)6.8の地震が起きた。台湾と日本はいずれも「環太平洋火山帯」に位置し、フィリピン海プレートの沈み込みによって地殻変動が生じるという地学上の共通点がある。台湾の東側には日本領の南西諸島が続き、南に沿って長さ1000キロの琉球海溝がある。琉球海溝はさらに東方の海底で南海トラフと接続し、両者は近い将来に巨大地震が起こると想定されている。

 政府の地震調査委員会は今年3月に公表した南西諸島や日向灘周辺における海溝型地震の長期評価(第2版)で、南西諸島や与那国島周辺にM8の巨大地震が起きる可能性があるとした。また、今後30年以内にM7の地震が起きる確率は、与那国島周辺で90%程度以上、また沖縄本島に近い南西諸島北西沖で60%程度と評価した。

エコノミスト オンライン「鎌田浩毅の役に立つ地学」記事より

この記事中の図が、日本列島西側太平洋の南海トラフが、宮崎県沖の日向灘を介して沖縄地方の太平洋側の琉球海溝と強い影響下にあるというもので、背筋が寒くなりました。

記事によると琉球海溝では数百年に1度の割合で巨大な津波が発生していたことが、津波堆積物の調査から判明しており、江戸時代の明和8年(1771)には琉球海溝を震源とする地震によって高さ30メートルの津波が八重山諸島に襲来し宮古・八重山で1万2000人の死者・行方不明者を出したたことがわかっています。

「明和の大津波」については、以下に気象庁のサイトから引用します。

1771年4月24日午前8時ごろ、石垣島近海(石垣島の南南東約40km付近)でマグニチュード(M)7.4の地震が発生した。震源は北緯24.0度、東経124.3度と推定(図1、震源は理科年表による)。 地震の揺れによる被害はなかったようだが、大きな津波が八重山諸島及び宮古諸島に押し寄せ、たくさんの死者・行方不明者が出た。この地震による津波は、専門家の牧野清が1968年に著した「八重山の明和大津波」で日本の元号で呼んだことから「明和の大津波」と呼ばれている。

気象庁 明和の大津波 ∼巨大な岩を動かす津波の力!より
気象庁 明和の大津波 ∼巨大な岩を動かす津波の力!より転載

津波のエネルギーは巨大な岩をも動かすほどだった。八重山・宮古諸島には、襲来した大津波によって海から運ばれてきたといわれている津波石(珊瑚石灰岩)がある。 津波堆積物や津波石の年代測定などの調査により、過去2千年間に約600年間隔で、1771年「明和の大津波」とほぼ同規模の津波が4回程度起きたのではないかといわれている。

気象庁 明和の大津波 ∼巨大な岩を動かす津波の力!より
気象庁 明和の大津波 ∼巨大な岩を動かす津波の力!より転載
気象庁 明和の大津波 ∼巨大な岩を動かす津波の力!より転載

いずれにしても、日本列島周辺の地震活動が活発化していますので、日々油断はできませんね。

僕は、ふんだんにお金があれば、すぐに日本から海外移住するでしょうね。ないから無理ですが(笑)。日本列島は、その名の通り周囲を海に囲まれた島です。地球規模で考えれば豆粒みたいなものです。そんな小さな島は、いつ海中に沈んでも少しも不思議はないのです。


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