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妄想邪馬台国「出雲に神の国あり 2」

「出雲大社がある所は確かに船が寄港しやすい場所だね」異能が島根県の地図を見ながら言った。

「出雲大社は地上から観れば、天に届くような高所にあったというから、出雲大社を日本海の物見に使ったかもしれないわね。大社の西側には、現在では大社漁港があるわ」

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出雲大社のイメージ

「卑弥呼は出雲大社という物見施設から日本海を眺めていたって…何だか絵になるね」
「物見?」
「見張り台だよ。火の見櫓みたいなものだね」
「大社の社殿から寄港する船を見ていたってことか?」
「そうよ。何だかロマンチックでしょ?出雲が邪馬台国だったらね」

出雲大社から海を見る卑弥呼
卑弥呼
卑弥呼

「出雲大社周辺が邪馬台国だとしたら、卑弥呼は? 異能くんは卑弥呼が天照大神だと言ってたわね」
「高天原は朝鮮でしょ?」
「うん。じゃあ邪馬台国は朝鮮半島南部にあったとされる狗邪韓国(三国志に名が見える3世紀頃まで存在?)、仁那、伽耶とかになるのかな?九州でも出雲でも大和でもないわね」

ふたりの話を聞いて、僕は少し腹が立った。

「いい加減だなぁ、それじゃあ、君たちが九州だ出雲だって言ってて、どっちになるのか? なんて、その気になってた僕の気持ちが収まらないよ」

僕はほっぺたを膨らませて異能と治子を睨んだ。
「邪馬台国の場所の特定なんてどうでもいいじゃないか?日本人だから日本列島の中にある場所にしたいのだけれど、三国志の魏志倭人伝も古事記に日本書紀って、その時代の人たちが記録したものだから、自分たちの偏った主観で見ている場合も多いと思うんだ」

「素戔嗚尊が出雲に降臨したというのは臭いよね」
「高天原が朝鮮半島の伽耶で、当時の伽耶から追い出された素戔嗚尊が日本列島に逃げてきた…」
「難民ってことか…」
「そうそう、伽耶からの難民が日本列島に漂着して、弥生時代の幕開けとなる…」
「素戔嗚尊が暴れて天照大神に高天原を追い出されて出雲に降臨したっていうのと合うよね。でもさ、天照大神が卑弥呼だとすると邪馬台国は九州でも出雲でもないよね。やっぱり朝鮮半島だよね」
「いや、そうとばかりは言えないよ。確かに高天原は朝鮮半島にあった国だとは思うけれど・・・」
「邪馬台国は、やっぱり日本にあったということ?」
「うん」
「振り出しに戻っちゃったじゃんか」
僕は無責任な推理を展開している異能と治子を睨んだ。

つづく







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