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林大臣要請への回答届く【調査会NEWS3839】(R6.6.21)

 本日11時30分から特定失踪者家族会が記者会見を行いました。既にお知らせしているように国連に提出する拉致被害者・特定失踪者リストについての発表が主題でしたが、ちょうどこの直前に拉致問題対策本部事務局から、5月20日に林芳正官房長官兼拉致問題担当大臣にお渡しした要請文書への回答がとどきました(それについては記者会見でも発表しています)。
https://www.youtube.com/live/nemZFFrIEdg?si=CaIVKrotBRh4Nor1

 文書については下に元の要請内容と合わせて掲載しますのでご覧下さい。この種の文書は対策本部事務局で各省庁と調整しなければならないのでなかなか大変です。ご苦労された皆様に御礼申し上げます。

 私が気になったのは第4項の拉致を中心に据えた立法が必要との要請に対し、回答では北朝鮮人権法と支援法があるから大丈夫とのことでした。それを読み上げていて思ったのですが、救出できないことの責任を誰がとるのか明確にする必要があります。あるいは例えば大澤昭一さんや支援者の方々は大澤孝司さんの拉致認定のために働きかけをしていますが、政府(警察)は認定するに足る証拠がないとのことで拉致認定していません。この状態でやがて孝司さんが拉致だと分かった場合、それまで認定しなかった責任を誰がとるのか、明確にする必要があると考えました。

 もう一つ、「しおかぜ」についての要請で、送信施設の政府管理については「これまで実績がないため施設管理に必要な技術及び知見を有しておらず、慎重な検討が必要であると考えております」となっていますが否定はしていません。技術や知見はKDDIにあり、優秀な日本の官僚ができないはずはありません。慎重に検討して迅速に実現してもらいたいと考える次第です。

(政府回答)
※要請内容は差し込んだもの。

令和6年6月2I日
特定失踪者(北朝鮮による拉致の疑いを排除できない失踪者)家族有志の会
略称特定失踪者家族会会長今井英輝様

内閣官房拉致問題対策本部事務局

 貴会の要請について、林拉致問題担当大臣の指示を受け、関係省庁と協議した結果を次のとおり回答します。

1について
(要請内容)
 国連人権委員会が北朝鮮人権に関する報告書を2014年に発表以来10年が経ちました。報告書の中で日本の拉致被害者は少なくとも100人以上と明記してあったにもかかわらず、日本政府は10年間拉致認定者17人のままで、被害者認定の追加も奪還も説明責任の追及もなく、国民にとっては何の対応もしていないように見受けられます。本年2月に国連人権高等弁務官事務所(ソウル)において「国連調査委員会より10年:国際犯罪に対する説明責任の道筋」と言うシンポジウムが開催されました。その中でマイケルカービー判事(国連北朝鮮人権調査委員会元議長)が、「日本の拉致被害がこれほど長い間継続し、若い被害者が多数発生していることを初めて知った」と発言されました。このことは国際社会の中で特に人権問題関係団体の中で日本政府が正しい情報を啓発してこなかったことの証左です。国際社会に対して積極的な情報発信を行って下さい。

(政府回答)
 拉致問題の解決のためには、我が国自身の主体的な取組に加え、国際社会と緊密に連携することも重要です。政府としては、関係各国や国際機関に対し、あらゆる機会を捉え、我が国の立場を繰り返し説明し、多くの国や国際機関から支持と理解を得てきております。
 また、各種のシンポジウム開催を通じた国際社会への働きかけの取組も従来から行ってきていますが、6月27日に関係各国等と協力して開催を予定している拉致問題に関するオンライン国連シンポジウムでは、今年も、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者の御家族にも御登壇いただき、御家族からの生の声を発信していただくこととしています。さらに、今後、国際社会に対しで情報発信を行っていくに当たっては、拉致の可能性を排除できない事案についての項目・記述を増やした拉致問題に関するパンフレッ   ト等も、積極的に活用していく考えです。
 引き続き、拉致問題の解決に向けて、国際社会に対する情報発信を含め、認定の有無にかかわらず取り組んでまいります。

2について
(要請内容)
 政府認定拉致被害者田中実さん、特定失踪者金田龍光さんの北朝鮮在住情報が2014年ストックホルム合意時点で日本政府に打診され、日本政府が拒否してから10年が経過しました。理由は様々あろうとも、長い間この事実を秘匿し、政府が拉致認定している被害者の帰還を拒否した日本政府の責任は重く、竹下事務局長を含む有志は日弁連に人権救済申し立てを行いました。またこの事により北朝鮮政府は他にも拉致被害者が多数北朝鮮にいることを自ら露呈させました。
 被害者の60%が70歳を超えており、さらにその半数は80歳を超えています。認定被害者も未認定の被害者も命の重さに軽重はなく、命の限界を北朝鮮の地で苦しみながら耐えています。命のあるうちに、救える人から救出してください。


(政府回答)
 政府としては、田中さん、金田さんを含め、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく全力を尽くしてきており、引き続き全力で取り組んでまいります。

3について
(要請内容)
 現在の政府認定・警察断定拉致被害者19名以外に拉致の可能性がある人が、特定失踪者問題調査会に約470名、その大部分を含め警察にも現在約900名います。この中には北朝鮮での目撃・生存情報や、写真等の証拠がある被害者もいます。そこで特定失踪者家族会では、警察庁と調査会が氏名を公開している人々のリストを、失踪時の簡単な説明も加えて作成しました。近日中にソウルの国連人権事務所を通して国連人権委員会の作業部会に送付予定です。前述項目1の関連。今後、国連人権委員会の作業部会に対して必要な協力を行って下さい。

(政府回答)
 拉致問題の解決のためには、国際社会と緊密に連携することも重要です。政府としては、作業部会からの協力要請があれば適切に対応してまいります。

4について
(要請内容)
我が国では、拉致問題に直接関係する法律として、「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」及び「北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律」を定めております。
 「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」第2条第2項においては、「政府は、北朝鮮当局によって拉致され、又は拉致されたことが疑われる日本国民の安否等について国民に対し広く情報の提供を求めるとともに自ら徹底した調査を行い、その帰国の実現に最大限の努力をするものとする。」と規定されており、「北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律」第3条第1項においては、「国は、安否が確認されていない被害者及び被害者の配偶者等の安否の確認並びに被害者及び被害者の配偶者等の帰国又は入国のため、最大限の努力をするものとする。」と規定されています。

(政府回答)
 拉致問題は、国の責任において解決すべき喫緊の重要課題であり、こうした規定も踏まえ、政府としては、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するべく、全力で果断に取り組んでまいります。

5について
(要請内容)
 北朝鮮にいる被害者は数少ない情報の中で短波放送しおかぜを「希望の灯」として待ち望んでいます。政府(総務省)による短波送信施設の維持・管理を実現して下さい。設備の老朽化、NHKによる設備削減は危機管理、安全保障の観点から国益を損ねる重大な問題です。これは「しおかぜ」「ふるさとの風」による北朝鮮拉致被害者向け放送のためだけでなく、全世界の邦人が有事の際保護、情報共有を受けられるようにするためであり、ウクライナの例を見ても明らかです。

(政府回答)
 短波送信施設の維持・管理については、KDDIがNHKからラジオ国際放送の送信業務を受託し、長年送信所の運用を安定的に行ってきております。 KDDI及びNHKからも、引き続き送信所の安定的な維持運用に努める予定との回答を得ていることから、政府としては現行の運用体制で今後も国際放送が安定的に運営されるものと考えております。
 また、政府自らが国際放送施設を管理するこどについては、これまで実績がないため施設管理に必要な技術及び知見を有しておらず、慎重な検討が必要であると考えております。
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<調査会・特定失踪者家族会役員等の参加するイベント(拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等>  ※事前申込み・参加費等については問い合わせ先にご連絡下さい。

 ※記載されている参加者は調査会・特定失踪者家族会役員等のみです。
★6月22日(土)14:30「予備役ブルーリボンの会シンポジウム」(同会主催)
・拓殖大学文教キャンパス(東京メトロ丸の内線茗荷谷駅徒歩5分 文京区小日向3-4-14)
・調査会代表荒木が参加
・問い合わせ:予備役ブルーリボンの会(info@yobieki-br.jp)

★7月27日(土)「ふるさとの風・しおかぜ共同公開収録 in 仙台」(内閣官房拉致問題対策本部事務局長・特定失踪者問題調査会主催)
宮城県仙台市 宮城野区文化センター
・幹事長村尾が参加

★9月21日(土)13:30「拉致問題を考える埼玉県民の集い」(埼玉県・救う会埼玉主催)
・埼玉会館(浦和駅徒歩6分 さいたま市浦和区高砂3-1-4 Tel 048-829-2471)
・調査会代表荒木が参加
・参加申し込み・問い合わせ:埼玉県福祉部社会福祉課(048-830-3277)

★10月5日(土)「ふるさとの風・しおかぜ共同公開収録 in 蕨」(内閣官房拉致問題対策本部事務局長・特定失踪者問題調査会主催)
・蕨市民会館コンクレホール
・幹事長村尾が参加

★令和7年1月26日(日)「ふるさとの風・しおかぜ共同公開収録 in 福山」(内閣官房拉致問題対策本部事務局長・特定失踪者問題調査会主催)
・県民文化センターふくやま
・幹事長村尾が参加

■調査会の出版『北朝鮮 拉致と工作活動Ⅰ 拉致回廊 日本列島を行く』(杉野正治副幹事長著)。Amazonでお求めになることができます。(オンデマンド出版のため書店ではお求めになれません)
◎書籍版2200円(本体+税)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0B37KWH2Y
◎Kindle(電子書籍)版(1400円)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0B3N32PMZ/ref=sr_1_19?keywords=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%88%97%E5%B3%B6&qid=1654819244&sr=8-19

■拉致問題関連書籍一覧(特定失踪者家族会作成)
http://araki.way-nifty.com/araki/2022/09/post-cf6ae2.html

★代表荒木のYouTubeチャンネル
 毎日5~10分配信しています。RadioTalk・GooglePodcastなどでは音声配信で聞くことができます。
https://www.youtube.com/channel/UCSa3H61PRYDyRy4aHvF_VSA

★インターネット放送 channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木と幹事長村尾の担当する番組を送信しています。会員制ですが1回26分の番組の前半は無料で視聴していただけます。  http://ajer.jp
 荒木担当 『救い、守り、創る』
 村尾担当 『オレがやらなきゃ誰がやる!』

★予備役ブルーリボンの会の動画配信「レブラ君とあやしい仲間たち」
・代表荒木がキャスターをつとめています。
https://www.youtube.com/channel/UCPrqeCO5CGlj9Imyzz1_XTg
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 ※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。  //////////////////////////////////////////////////////////
北朝鮮船・遺体着岸漂流一覧
http://araki.way-nifty.com/araki/2021/12/post-1a801e.html
着岸漂流一覧と失踪関連地点マップ
https://drive.google.com/open?id=1Nsd5Xf9dqDa6AsYv5_4VspEFmeNh95qS&usp=sharing
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特定失踪者問題調査会ニュース
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