試演「呼吸にまつわるトレーニングプール」報告会(前編)
城崎温泉でのアーティストインレジデンスを終えたばかりの8/17、上田久美子の活動報告を兼ねてラジオ風のシラスチャンネル配信を行いました。
その模様を文字でお伝えしたいと思います。
noteおよびシラスチャンネルでサポートくださるメセナの皆様のおかげで、収入の発生しない試演のみの実験的な創作が支援されています。
この世界にいま必要なアートとは何か、皆様とこのnoteで創作の悩みや喜びを共有して、一緒に進んでいけたら嬉しいです。
この前編もおすすめですが、後編の「上田へのダメ出し」のところで、自身でも話す予定をしていなかった記憶が引き出されて、それが特に面白かったと思っています。
長いですが、メセナメンバーのみなさまには後編も合わせて読んでいただけますと嬉しいです。
(シラスチャンネルでは今回音声のみの配信ということで600円で全編あわせて聞いていただけます。冒頭30分ほど無料です。作業用BGMにどうぞ)
観客とどう関係を結ぶか
菱田
今日は「呼吸にまつわるトレーニングプール」報告会というふうに銘打っていまして、まさに昨日まで城崎でこの企画をされていた上田さんと平野さんをゲストにお呼びして進めていきたいと思っております。
上田
皆様こんばんは、上田久美子です。チャンネルで初めての試みで、ラジオ局と称しまして、音声のみで城崎国際アートセンターのスタジオからお送りしております。今日は対談のお相手として平野暁人さんに参加いただきます。
今回、プロジェクトにフランス人の俳優が入っていて平野さんはその通訳としての参加でしたが、加えてコンセプトに関わる相談にも乗っていただきまして非常に頼りになる面白い方です。
平野
こんばんは、面白い平野です(笑)
自己紹介としては、いま言ってくださったのでいいと思うんですけど、私の方からちょっと訂正があります。日本のフランス語演劇界随一の通訳で翻訳家と番組のサイトに書かれていて、これは事実に反するのではないかという疑義を呈したいところです。お詫びして訂正申し上げます(笑)
とりあえず頼まれたらいろんなところに行って、何かをするという仕事をしています。今回はこのような不思議なプロジェクトに加えていただけて、何をするのか最後まで全然わかってなかったですけど、とても充実していました。楽しかったです。
ところで、昨日終わったばかりでこの状態で振り返りも何もって感じなんですけど、なぜこのタイミングで早速この振り返り企画をやろうと思ったんですか。
上田
寝かせると「何だっけ?」ってなるじゃない?
平野
確かにその直後だから覚えてること、だんだんあやふやになっていくことってありますからね。後からの方が見えることもあるけどね。うん。
しかし3日間、我々毎日ひたすら挑戦してどんどん貪欲に変えていきましたけど、振り返ってどうでしたか、手応えは?まずお客様の反応というか、初日から上田さんめちゃめちゃ緊張してましたけど。
上田
初日はお客様というか一般参加者も緊張感がすごかった。今まで私は、オペラや宝塚みたいなもの、つまり観客がたくさんいて終わった瞬間にここが拍手っていうのがはっきりあって明らかに場の温度を高めて終わるようなタイプの作品をやってたから、なんか、今回は参加型のワークショップの延長上で何となく作品でもあったのかな…みたいな終わり方という曖昧なスタイルなので、正直手応えがないです。ない!
平野
ないんかい!
日本語がわからないガエル(フランス人俳優)も久美子の緊張が伝わってくるって言ってた。ほら演出家も結構、人によるでしょ。ものすごくイケイケで、全然いけるいけるももちろん良いに決まってんだから!みたいな人と、どうしようどうしよう今回こそうまくいかないんじゃないか、今回こそ滑るんじゃないかみたいに追い詰められていくタイプと。元々どんなタイプでした?
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