「イーロン・マスク」の伝記が面白すぎた
9月13日に世界同時発売された「イーロン・マスク」の伝記が面白すぎたので、しがらみを打破して世の中にインパクトを与える仕事をしたいと考えるビジネスマンや学生さんに、ぜひ読んでもらいたいと思い、内容をまとめました。
この本は世界にイノベーションをもたらした2人の起業家「イーロン・マスク」と「スティーブ・ジョブズ」の言葉の引用から始まります。
そして、イーロン・マスクの生い立ちや学生時代の興味などが語られた後、自分の創業したペイパルを追放された彼が、「スペースX」「テスラ」「ツイッター(X)」でどのようなビジョンを持ち、世の中に変革をもたらしたかが、時系列で詳細に記述されています。
学生時代の興味
イーロン・マスクはクイーンズ大学からペンシルバニア大学に移籍し、物理学を専攻します。そして並行してビジネスの学位も狙っています。
大学で仲良くなったロビン・レン(中国の物理オリンピックで優勝してペンシルバニア大学へ留学)によると、当時のマスクは、のちのキャリアにつながる三つの分野に特に興味を抱いていたといいます。
①ロケット:物理法則がロケットの建造にどう役立つかを考え「火星まで行けるロケットを作る」という話をよくしていた
②電気自動車:カリフォルニア州で「2003年以降、新車の10%は電気自動車でなければならない」とする州法が成立し、その実現に一役買いたいと語っていた
③太陽エネルギー:持続可能エネルギーの本命として太陽エネルギーに注目し、卒業論文も「太陽エネルギー活用の重要性」についてであった
会社設立時のビジョン
2022年4月、イーロン・マスクは資金提供して立ち上げた4社で大成功をおさめています。
この結果は売上や利益だけを追求して得られたものではなく、各会社におけるビジョンが投資家や従業員、ユーザーにとって魅力的なものだったからこそ得られたといえるでしょう。
友人の一人、リード・ホフマンはこのような姿勢を「自然界の力」と呼んでいます。
例えばスペースXでは、もともとロケット会社を立ち上げるつもりなどなく、国民の機運を盛り上げ、NASAの火星行きミッションへの予算を増やすことを目的とした慈善事業を進めるつもりでした。
つまり「火星オアシス大作戦」と題して小さな温室を火星に送り、火星に着陸したら、赤い惑星で緑の植物が育つ写真が送られてくるというミッションで世論を沸騰させ、火星行きミッションを求める声を高めようと考えたのです(その後ロシアにロケット代金をふっかけられたことから、スペースXを立ち上げることになりました)。
この発言からも、イーロンが相当な抽象思考の持ち主だという事が分かりますが、火星に行こうという荒唐無稽とも思われるミッションを立てた理由は3つあります。
①技術は必ず進歩すると限ったものではなく、進歩は止まるかもしれない。後退することさえありうるから、たくさんの人が必死に働いて技術進化させる必要がある。
②フェルミのパラドックスが示すように、地球の人類だけが意識を持っているのであれば、地球だけでなく他の惑星にも住めるようにして人類の文明と意識を生き残らせる必要がある。
③米国というところは、文字どおり、純粋に探検の精神の国だから、この精神にふたたび火を付けなければならない。そのためには、火星に入植するミッションに乗りだすのが一番である。
このように、常人には理解されづらいのですが、イーロンのミッションはどれも人類に対する大きな愛が根源となっています。
また、テスラについても、学生時代「世界に一番大きな影響を与えられるのはなんだろう」と考えた結果、電気自動車が有力だと思ったことから出資が始まっています。
イーロンマスクはツイッター(X)も買収しましたが、これもSNSに言論の自由を取り戻したいというビジョンに基づくものでした。
さらに、今後ツイッター(X)をオールインワンの金融プラットフォームにしようとしていると言われています。
偉大なイノベーターとはどういう人間か
このように、世の中をよくしたいという理想を持ち、それを実現する姿に魅力を感じるファンも多い一方、様々な批判もあります。これらの批判について、著者はこのように述べています。
精神面・体力面で圧倒的にタフだからこそ、ついていけない人や傷つく人も出てくると思いますが、ゆるぎないビジョンを持ち、人類を進歩させ存続させる未来に向かって突き進むイーロン・マスクの姿に影響を受け、前に進む力をもらう人も多いでしょう。
これから世の中に前向きな影響を与えていきたいと考える人に、ぜひ読んでもらいたいおすすめの一冊です。私も何かを突破するためのパワーが欲しい時に何度も読み直そうと思います。
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