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現代の僧侶になる男。

私には、このひとの誘いは、なるべく断らないでおこうと思うひとがいる。
「半年振り返り会」に誘ってきたエンジニアの友人も、そうだった。

4人でひとり30分、自己紹介や質問や5分程度の休憩合わせて、計3時間かかる半年振り返り会。
どうせ、2020年振り返り会を年末か年明けにやるのだし、
去年の振り返り会も別のメンバーで去年の年末と2月あたりにやったし
あまり気乗りがしなかったけど(笑)メッセージがきた4分後、ふたつ返事でOKした。
ちなみに友人の彼とはリアルでは2-3回しか会ったことありません。オンライン上では何回もやりとりしてる。

結果、おもしろかった。

東京と静岡と岐阜と京都をZoomでつないで、四人で3時間ちょっと。
私は、誘ってきた30代エンジニアの友人以外の2人はオンライン初対面。

それぞれの悩みだったり、変化だったり、これから考えていることだったり
いろんな切り口でおもしろかったんだけど
特に「振り返り会」初体験だという40代の初対面の方が印象的だった。

40代の彼は、「振り返り会」初体験なので、発表の順番を後ろの方にしながら、質問のやりとりも最初は静観して見守る。

けど、1人目の発表の後も、勿論2人目のときもいっとき口を開けば
鋭い質問と、将来につながる道筋を対話で導き出していく。

1人目の発表のときの、あまりにも鮮やかな質問の切り口と
本人の思考をなぞって主意を尊重しながら、解決策を導き出していく手法に私は唖然とした。
1人目のエンジニアの友人の悩みは、役割分担と他者に期待すること。
2人目の彼女に関しては、問いながら彼女の仕事の強みを炙り出していく。
3人目の私は、鬱屈感や問題意識が、自分の言葉で明らかになっていく。

そして4人目に発表した彼自身は、「僕は普段、問いのひとなので、あんまり自分から話すことないんです」と、心持ちもじもじしながら
この半年間悩み、諸々行動変容していた様子を話す。

僕にとって時間が貴重なので、なるべくミーティング以外でのお持ち帰り(宿題)や作業を無くしたい。対話以外の時間を増やしたくないんです。
やり方を教えるから、実行するのはあなた(クライアント)ですよ、って。

普段なら違和感を持つことも、鋭い質問や対話を繰り広げた彼が言うならすっと入る。

ものごとには、幹と枝葉があって、それで、対話を通して何が幹なのかなって考えるんです。
自分自身の限界を超えて実現するために、悪しき常識にとらわれているところや現世に合わない状態を解消したい。

僕はゆくゆく、現代のお坊さんになると思うんです。

腑に落ちた。
彼は誰よりもお坊さんっぽかった。

コンサルタントでも占い師でもコーチング?でもカウンセラーでもない。対話をしながら、その先をずるずると引き出し、指南する姿はお坊さんだった。

現代のお坊さんたる彼が、今回の半年振り返り会をまとめる。
相手を変えるのは到底無理で、頑張れば頑張るほど苦しくなるので
相手を変えたい欲求はどこから生まれているのかにフォーカスすればよいと、4人の悩みの共通項を見出す。

この最中に俳優さんの自死のニュースが飛び込んできたわけだけども 俳優の彼は誰かと対話できただろうか、とついつい想いを巡らせてしまう。



お時間いただきありがとうございます。