見出し画像

お粗末な言いわけ~副大臣の遅刻~

「国会は会期末じゃなくて世紀末ですよ」

ある議員秘書はこう言うと「言語道断、問答無用で辞任。じゃないと野党の追及をかわし切れないだろう」といきり立ちました。いつもの顔と違って驚いたのは私の方でした。

5月13日木曜日、参議院の厚生労働委員会に三原じゅん子厚生労働副大臣が30分近く遅刻をしたことがニュースで報道されました。

30分程度の遅刻でそんなに目くじら立てなくても、と思う方もいるかもしれません。確かに、このコロナ禍でそれでなくてもストレスが多いのに、30分の遅刻で命がとられるわけじゃあるまいし、と言われたらその通りです。でも、ここは国会です。国会は法律をつくる場です。法律は国民の行動を制限するルールです。国民を縛るものだからこそ国会は威厳と品位を保っていなければなりません。

ですから、副大臣がその法律をつくる場となる「委員会」に遅刻したことは、非難されるに十分な理由となります。

私が議員秘書になりたての頃、最初に教え込まれたことに「Faxの受信音を聞いたら、すぐに受信した用紙を確認しろ!」というのがありました。議員会館では重要な連絡はFaxで送られてきます。時間変更となった委員会のお知らせもFaxです。気づかずに放置していると委員会に遅刻することにもなりかねません。

「国会議員は、足の1本や2本折れていても、本会議と委員会には出席するものだ!」「だからスケジュールミスは絶対にするな!」「いいか、秘書の仕事に『ミス』って言葉は存在しないからな!」
私が怖い先輩秘書に言われた言葉を、この遅刻騒ぎで思い出しました。
さて、この案件はどんな内容だったのでしょう。

ここから先は

3,252字 / 4画像
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?