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AIは人間を裏切ることは可能?

少なくとも数年は、AIには”通訳”が必要であろう。いや、ひょっとしたらばかなり長い期間の間、AIには”通訳”がサポートを必要とするかもしれない。

昔から人間同士の場合は、日本語と英語のような国・地域で扱う言語の違いによって”通訳”の需要が生まれる。
そこから人間とAIとの間の”通訳”を連想すると、とんでもない誤解を招く。人間とAIは、人間の言語では共通の言語を持つ。私たち日本人の場合は、日本語でAIを利用することは可能である。つまり、我々は同じ日本語の土台を、AIと共に”共有”している。

人間とAIの違いは、私なりに説明を試みてみると、「”生きている”のか否かの差である」となるのだろうか?
しかし、この”生きている”という単語の意味が、同じ日本人同士であっても、じつは随分と異なる。

今までは、同じ日本人の共通言語で”通じる”とされていたものが、AI時代は、同じ日本人でも”通じない”となることが顕在化されるのだろう。

そして、AIはあくまで「生きてはいない」し、無機的な存在であって、意味を理解してるか否かを考える対象とすること自体、ナンセンスである。

だから、もし、「AIが”意志”を持つ」、「AIが”裏切る”」、「AIが人間を”管理”し、”支配”する」というのも、ありえない。
もし将来、AIが人間を”裏切る”、”支配”する事態が起きるとすれば、それはAIの名を借りた人間が、(多くの?)人間を裏切って支配することが考えられる。

インターネット上の情報、ビッグデータがなどの巨大な母集団はAIの本質である。その母集団と個々の質問・リクエストを結びつける方法というか、”癖”を豊富に持つ個人が、AIの”通訳”となってAIから様々な解決策を生み出す主役を演じることとなろう。
そのために人間に要求されることは、AIを含めたITの原理も大切だし、ITの”癖”を知っているのも重要だ。

ここ数日のあいだ、こんなことがあった。

ある人とChatGPTであるシステムの開発をしていたとき、ChatGPTの日本語を使って”しゃべる”機能に話題が移った。ChatGPTは、日本語をしゃべる機能は出来ていると主張し、その手順を示してくれたが、試しにやってみると全く動作しない。
私は、「ChatGPTは英語圏で開発をしているので、英語では”しゃべる”機能の開発は出来ていても、日本語では”しゃべる”のは無理なのでは?少なくとも、現段階では・・・」と解し、そのように人間の(?)、IT以外の世界のパートナーに話したが、彼は日本語の文字チャットをキーボードを通してコミュニケートできるChatGPTが、あれほどはっきりと日本語でしゃべるのが「できる」と返答し、その手順を示して、それでいて実際にはできないということに、なんとも納得がいかない様子だ。
「ChatGPTは嘘つき」とでも言いたそうな勢いだが、たしかに「嘘つき」かもしれないが、日本語を使わず英語でコマンドを入力して動作すれば、これはこれですごいことだと思う。実際に英語の手順で動作を試してはいないのだが、そういう事情が可能性としては「あるな」と思ったのは、私が昔、ITベンダーの開発チームに所属していた経験があればこそのこと。「こんなもの」だという実感がわたしにはあるのだが、非IT出身の彼は納得がいかないことなのだろう。

昨日は、ヤマハルーターのIPsecによるVPN通信を通す設定で、GUI設定はプロトコルの箇所はTCPまたはUDPを指定し、ポート番号を指定するものだった。しかし、IPプロトコルの上位レベルで暗号化をするIPsecのESPでは、TCP/UDPの区別も、ポート番号の指定しようがない。
GUI設定はあきらめて、コマンドを使ったCUIで設定する方法を調査し、設定を行おうとしたが、ふと、プロトコルを指定する箇所での選択肢をみるとESPプロトコルがあった!

そこで、GUIでUDPの500と4500を、それにESPプロトコルを許可することで、ヤマハルータを通過させて、IPsecのVPNセッションを貼ることに成功した!予定より大幅に短時間で処理が完了!

上記はAIとの事例とは異なるが、対象の”仕組み”を理解していれば、ものすごく簡単に仕事が進む例である。
AIも、動作する仕組みを理解し、活用することによって、その「威力」を自分のものとする感覚を昨日は経験した。
要は、仕組みの開発者の立場に立てば、開発したものに、利用者が使いやすい仕掛けをたくさん用意している。それを以下に素早く見つけて、活用するセンスがものをいう。

どう考えても、ヤマハのルーターがIPsecなる定番のVPNプロトコルを通すことはよく行われていると想定し、それならばGUIメニューで設定できるか、Config例などで情報提供があるかのいずれかであると想定する。
絶対に、製品企画者、開発者が「これはマニュアルに書かれている」という態度ではなく、「見つけてくれよ」という思いで、いくつものヒントを散りばめているのである。

こんなことをブログで書いている私の”意図”は、後進の参考になればとの思いもさることながら、もし私とは異なる才能を有する人々へのメッセージでもある。
AI、ITの”道具”といっしょに、私のような、対人間には不器用だけれども、システム相手では比較的”良好な関係”を築く”おたく”を使って頂ければ本望だという”願い”が込められている。

AIの立派な”通訳”として、貢献するように頑張ります!

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