見出し画像

【登場しない「君」を探せ!】尾上陽「劇場」から1.3倍勇気を貰うためのnote

こんにちは!
アキレスと亀のともきです!
今回は勝手に深掘りシリーズその2

尾上陽「劇場」について

モラトリアム
登場しない「君」
応援歌としての「劇場」

の3つのキーワードで考察して行きたいと思います!

モラトリアムについて

モラトリアムという言葉、ご存知でしょうか?
猶予期間という意味なのですが、子供じゃないでもまだ大人じゃない。
大人になるまでの猶予期間。という意味で使われたりする言葉です。
少年性を残しつつ大人の階段に足をかけているような。尾上さんからはそんな空気をひしひしとかんじるわけです!(ジュブナイルという言葉はバンド内にジュブナイル警察がいるため今回は使いません)
歌詞はもちろんですが、サウンド面でも顕著なのです。

特徴的なのはやはり鼻にかかったような
気だるそうで、でも柔らかい。少し切なくなる優しい声です。
ギターサウンドもとても良いです。ストラトらしいギラっとした音が楽曲にエッジを効かせてます。ささくれだった心ってカンジです。

歌詞についてはサビは後ほどお話するので印象的なフレーズを

大人になっても
一人になんてなれないけど
傷つけ合うとしても
明日も同じ顔で
笑い合えたらいい

大人になっても1人になんてなれない。
つまり今1人じゃないことなんてとっくにわかってるんですよ。
これが少し大人だけどまだ尾上少年が大人になりかけている証明。
だけど、だからハッピー!万事解決ゥ!とならないのが思春期の難しいマインドですよね。
ひとりじゃないってことは意見がすれ違うこともある。喧嘩だってする。
それでもまた笑い合える関係でいたい。

こんなセンシティブな、10代の感傷的な感情を持ったままいられることが尾上陽の最大の武器では無いでしょうか!?
いつまでも思春期のマインドでいてください…キレたナイフのように…笑

登場しない「君」について考察する

「劇場」の歌詞も読みどころが多くて素敵なんです。尺の都合もあり今回はサビに絞ってみていきたいと思います。

1サビ

何もないと思っていた僕と違って
悲しくないか? 前を向けそうか?
欲張って 徒らに 色彩は巡って絡まって
僕ではない誰かの未来が 手に触れる

2サビ

意味がないと 笑って飛ばした向こうで
泣きやめそうだ 手を取り合った
どうしたって 止めどなく感情は濁って渦巻いて
僕の世界が どこへ向かうか 見ていて欲しい

という歌詞になっています!
どちらもセンシティブな感性がはっきりと出ていて魅力的なフレーズです。


さてここから先は私の完全なる想像のお時間!
もはや創造ですが!笑
その辺は心に止めてご覧下さい!

1サビの「何もないと思ってた僕と違って」というフレーズ。その後に続くのが問いかけであることを踏まえて考えると、自分以外の誰かに向けたフレーズであると考えられます。

この誰かを仮に「君」としましょう。

1サビではお別れがあったのでしょうか?
僕と違って悲しくないか?前を向けそうか?
という問いかけ。

「僕ではない誰かの未来が手に触れる」

というフレーズも、これから僕以外の誰かといい出会いがあるさ。というふうにもとれます。

そして2サビ
「意味が無いと笑って飛ばした向こうで泣きやめそうだ」
前に進む決意ができたのでしょうか?

「色彩は巡って絡まって」「止めどなく感情は濁って渦巻いて」

色彩、感情が渦巻く多感な時期らしい心のざわめきはあるけれど

「僕の世界がどこへ向かうか見ていて欲しい」

僕の事忘れないで、応援していてくれよ。
というふうに読めます。

「君」というのは親友?それとも恋人?

色んな解釈があると思いますが、ここからはもう一段階深いところまで考察。いやもはや二次創作していきましょう。

「君」ってもしかして「未来の僕」じゃん?

さぁこの男またなんかふざけたことを言い始めましたよ。
この考えで行くと今までの解釈もガラリと変わってきます。

何もないと思っていた僕と違って
悲しくないか? 前を向けそうか?

このフレーズが

自分は何者でもないと思っている「僕」と違って「未来の僕」は前を向けているかい?

という意味を持って聞こえてきます。

僕ではない誰かの未来が 手に触れる

このフレーズも、悲しい別れだってあるけど、一人ぼっちなんかじゃなくまた誰かに出会える。という前向きなメッセージに変わるような気がしませんか?

意味がないと 笑って飛ばした向こうで
泣きやめそうだ 手を取り合った
どうしたって 止めどなく感情は濁って渦巻いて
僕の世界が どこへ向かうか 見ていて欲しい

「君」と手を取りあった。つまり「未来の僕」と手を取り合ったとしたら。
今の僕から未来の僕へ毎日バトンタッチしてているということに気づく、ドラマチックな歌詞へと変わってくる。

完全に創作な気もしますが、突然歌のメッセージの方向性が変わってきましたね。

応援歌としての「劇場」

大長編おふざけ少なめでお送りしておりますが…

仮に「登場しない君」が「未来の自分」だとするならば、「劇場」はどんな作品になるのか…

何者にもなれていない自分。未来の自分はどうなっていくんだろう。
誰しもが10代で経験したであろう漠然とした将来への不安。その中でもがいて何者かになってやろうという決意表明であり強烈な応援歌なのです!

この解釈はあくまでともき個人のものですので信じないでくれ?笑

尾上さんの音楽で救われる人が増えることを祈って、歌詞全文と動画をどうぞ。

繋がらない日々
夢が終わってから始めよう
窓辺に 遠くを見た
朝焼けの白に紛れて
僕は飛んだ
何もないと思っていた僕と違って
悲しくないか? 前を向けそうか?
欲張って 徒らに 色彩は巡って絡まって
僕ではない誰かの未来が 手に触れる
開けた大地に
立ち尽くしているみたいだ
重さのない命が
夢の果て 吹き溜る
見ないふりしていた
大人になっても
一人になんてなれないけど
傷つけ合うとしても
明日も同じ顔で
笑い合えたらいい
意味がないと 笑って飛ばした向こうで
泣きやめそうだ 手を取り合った
どうしたって 止めどなく感情は濁って渦巻いて
僕の世界が どこへ向かうか 見ていて欲しい


この思春期の心の動きのみたいな形にしにくいものを「劇場」なんてタイトルでパッケージングできてしまう尾上さんのセンスに脱帽です。

今回は少し書きすぎた気がする。でも書きたりない。それだけの魅力がつまった尾上陽「劇場」聞いてみてくださいね!

それではまた次回!お会いしましょう!




(ふざけたりない…)

おいしいビールが飲みたいのです・・・