聖なる怠け者の冒険を読み終えて

森見登美彦さんの『聖なる怠け者の冒険』を読み終えた。昨年11月25日に大津の移動図書館で偶然手にして読み始めた本である。だから失礼ながら作者のことも、この本のことも一切知らなかったので予備知識はなかった。そして今日やっと読み終えたわけだ。3月2日だからほぼ3ヶ月かけて本を読み終えことになる。まぁそこはいいとしてこの作品を通じて印象的なフレーズがあったので引用し紹介したい。何と言っても浦本探偵による助手の玉川さんに対してのこの台詞だ。以下⇓

【事件解決も同じこと、いつも川は流れている。みんな流されるでしょう?流されながらなんとかしようとする。でも俺のやり方は違うんですよ。何もせずにぼんやりと構えている。そうすると勝手に変化する事件の状況が俺を真相へと運んでいってくれるわけです。】

この言葉の真意を感じ取っているのが実は2018年に突入してからなんです。カレコレ2ヶ月が過ぎたわけだけれども、浦本探偵のこの言葉は心の名言集に入れておこうと思った。

もう一つ、隣町京都のことはこれまでさほど興味がなかったわけだがこの作品を通じて随所に京都の地名が出てきた。読み進めるうちにじわじわと京都に対する関心意欲が湧き出してきたことは否めない。そのため京都との縁や結びつきはこの本を通じて日増しに強くなっていることは認めざるを得ない。(嬉しい誤算だ)

最後に、世の中に影響をを与えていく活動とは人類にとって未来永劫普遍的なテーマだと思う。作品に登場するぽんぽこ仮面のような利他の心で邁進できる情熱はやっぱり必要不可欠だろう。だけれどもそこに嫉妬し邪魔する輩が現れると言うのはストーリーとしてはよくあることだが、主人公小和田くんのように怠けモノとして大局的でゆったりとしたキャラクターは今の時代に求められており大いに刺激となった。

この本は間もなく定期便、移動図書館に返却するわけだが(後ろに借りる人がいなかったので何度か更新したw)、さてこれから一体どんな作品と巡り合えるのかを楽しみにしながら小春日和のお日様のもと、この文章を締めくくりたいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?