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わたし日本語教師なんです

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日本語教師としての悩みや気づきについて書いたnoteのまとめです。
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2024年7月の記事一覧

資格試験に合格してても日本語があやふやな中国人学習者を見て思うこと

日本語教育という職業をしていて、直面するジレンマのひとつが資格試験対策です。 日本での就職や進学を考える人は、日本語能力検定試験N2を取得します。N2レベルでなけれな門前払いされてしまうからです。 ですから、N2で合格点以上を持っているかどうかが人生の分かれ道となります。 それで、試験に合格するために日本語を勉強します。 この日本語能力検定試験はN5からN1までわかれています。そして難易度に応じて使われる単語も文法も違います。 ですから、N2を持っているからといって

さようなら!と言うと高確率で中国人にびっくりされる件

わたしは中国の広東省で日本語教師をしています。 今まで、いろいろな背景を持つ中国人に日本語を教えてきて気づいたことがあります。 それは、大抵の中国人日本語学習者は「さようなら」という言葉の意味を「永遠の別れ」にだけ使うと思っていることです。 授業が終わり学習者(学生)たちが教室を立ち去るとき、わたしが「さようなら!」と声をかけると、かなりの確立で「先生、どうしてさようならですか。また来週会います」と言われます。 確かに三省堂国語辞典の「さようなら」の欄には次のような注

さまよえる日本語教師から脱却したい話

雨ばかりだった6月が終わり、いつの間にか深圳の本格的な夏が到来しました。 日中は目が開けてられないほどの日差し、そして日が暮れると湿り気のある風が街を吹き抜けます。 妻はそのドンヨリとした風を気持ちいいって言ってますが、わたしは頭皮に湿り気を感じて嫌な気持ちになります。 できれば爽やかな風を感じたいものです。 さて、中国の地元の学校に通う子どもたちは、期末試験も終わりソワソワしているようです。すでに、夏休みに入った学校もあるようで、友人たちの中には里帰りした人もいます

数名の声が全員に?中国人ボスのフィードバックに振り回される日本語教師のお話

自分はきっととっても心が狭い奴なんだと思います。 なぜって? だって、すこしでも適当なことを言われると許せなくなってしまうんです。 昨日、突然ボスから電話がかかってきました。 内容は担当しているクラスの数名が、ペースが速すぎてついて行けないからもっとゆっくりして欲しいという要望でした。 それで、わたしは30数名のクラスのうち、何人が早すぎると言っているのですかと聞くと「数名」と言います。 それで、つまり人数は把握できてないけど一部の学習者が、難しさを感じているって