オートレベリングセンサ導入記

はじめに

環境: ELEGOO Neptune 2 v2.01


レベリングとは?

材料が想定通りベッドに乗るよう、ノズルの先端からベッドまでの隙間を適切に調整することです。

ELEGOO Neptune 2の場合、ベッドの四隅に調整用のノブが付いており
これによって上下に微調整が可能になっています。

デフォルトでは、Z軸センサ(マイクロスイッチ)でヘッドの限界位置を検出し、それに合わせてヘッドの四隅の高さを手動で微調整していきます。


マニュアルレベリングの問題点

レベリングを行うポイントが四隅(+中央1か所)に限られてしまいます。

ベッドが完全にフラットであればそれでも問題ありませんが、実際はもっと複雑に歪んでいることがあり、歪みが大きいと印刷品質に影響を与えてしまいます。

それを自動的に補正しようという試みがオートレベリングです。


オートレベリングの仕組み

ヘッドに接触センサを取り付け、ヘッド上の複数地点の高さ情報を取得し、マッピングします。

画像1

上記画像は、ベッドの高さをマッピングし3Dグラフにしたものです。
四隅が低く中央が高い傾向にあります。
(ちょっと歪みすぎなので替え時かもしれません)

オートレベリングは、この情報を活用し印刷時に自動的にヘッドの高さ補正をすることで、歪みの少ない印刷を行う試みです。


3Dプリンタのアップグレード

とにもかくにもレベリングセンサが必要です。

センサとしては、韓国ANTCLABSの「BLtouch」という製品がメジャーなようです。

やはり正規品はお高く、ちょっと手が出ないなあ… と感じたため、互換品を入手し試してみることにしました。

安いものだと1,600円くらいからありますが、あまり安すぎても怖いので半額くらいのものを選びました。

この商品の場合、センサを留めるためのネジ類だけしか付属していないので、別途M3x6mmのネジを2本用意する必要があります

また、付属ケーブルの長さが足りなかったため、ジャンプワイヤを連結して延長を行いました。

ケーブルをまとめるタイラップもあった方が無難です。(100均でも手に入ります)

さらに見栄えを求めるのであれば、編組スリーブにおさめると一体感が出ていい感じです。



続いて、3Dプリンタ側の改造です。

ELEGOO Neptune 2のメインボード上に、BLtouch用のヘッダピンが用意されていますので、はんだ付けなどの難しい作業は必要ありません。

ELEGOO公式サイトのNeptuneシリーズサポートページへ行き、
「2. Firmware」を開き、「Feature Additions」の「1. Auto_Leveling」のデータをダウンロードし解凍します。

「Neptune2 series\Automatic leveling tutorial.pdf」に図入りのマニュアルが入っていますので、基本的にそれに従っていけば大丈夫です。

手順としては

1. ブラケットをプリントする
2. センサをブラケットにネジ止めする
3. センサをヘッドに組み付ける
4. センサのケーブルをメインボードに接続する
5. 設定ファイル(+ファームウェア)を更新する

の5ステップで完了です。

互換品のケーブルは本家と色が違うことがあるので、センサ本体のピン配置とケーブル見比べ、どの色がどの信号か確認して接続ミスをしないよう注意してください。

画像5


動作確認

プリンタのパネルから「Tool」→「Autolevel」を選択すると、自動的にマッピングが始まります。

画像2

マッピングが終わると、ノズルが中央に移動し「z offset」入力画面に変わります。
この状態で、ノズルとベッドの隙間を調整します。
このとき、ベッドの微調整ネジを使わず、パネルの「+」「-」ボタンを用いて調整してください。

続いて、何らかのテストモデルをプリントしてみます。

プリント中、Z軸のステッピングモータが動作していることを確認します。

動作していれば、事前にマッピングした高さを基にヘッド位置を補正しようとしてくれているはずです。


オートレベリング関連のOctoPrintプラグイン

ベッドのマッピング情報を可視化します。

画像3

測定データを数字で見ることもできます。
地点にマウスカーソルを合わせると、ゼロに合わせるために微調整ノブをどの方向にどれだけ回せばよいかガイドが表示されます。
また、地点をクリックすると、そこを起点にして相対的にどれだけ歪んでいるか知ることができます。

めちゃくちゃ便利です。


おわりに


随時更新していきます。
他によさそうなプラグインがあれば教えてください!

※Amazonのアフィリエイトリンクはnoteのものであり筆者とは関係ありません。

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