熊代竜太朗という一人の人間
昔から誤解されろことが多かった。
小学校で3回、中学校で2回転校している。
とはいっても、隣町と言える距離だった。
なので前の学校や当時通ってた学校の仲間ともよく遊んでいた。
何年か経ち、それなりに思春期を迎えたころ
中学校で最大のイベント、修学旅行の季節がやってきた。
3日間で関東近郊を回る1大イベントに当時の熊代少年は心躍った。
そして修学旅行が終わり、廊下に貼ってあったプロのカメラマンに撮ってもらった写真を選びウキウキで教室に帰ると
仲の良かった女子グループがなにやら固まっていたので、いつも通り
本当にいつも通り声をかけにいったところ
集合写真のおれが写っているところをキレイに切り取っていたのだ、それも楽しそうに。
衝撃的だった、それに気づいた何人かはなにか言ってきたような気がするが覚えていない。
仲が良いと思っていたのは自分だけだったんだ、とひどく落ち込んだのは覚えている。
それから数年が経った。
当時の仲間とカラオケを楽しんでいたところ、いきなり扉が開いて
”お前おれの悪口言うてるらしいな”と転校する前によく遊んでたやつがいきなり殴りかかってきた。
当然そんなもんは身に覚えのないことだ。
おれはわけもわからず殴られ続けた。
涙が出たかは覚えていない。
そしてそういう出来事が誤解だったことは、100%あとから知らされる。
”あのときはごめんな”
そう言われるたびに心の傷は深まっていくのをひしひしと感じた。
だからもう我慢はやめよう、言いたいことはハッキリ言おう。
人が傷つくよりも、自分が傷つくのはとてもつらいことだ。
むしろあいつらは、おれが傷ついたことなど微塵も感じずにおれを傷つけてきたんだから。
おれは我慢が得意だ。
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