ただ私は沈黙を貫いた
机上には肉があった。大層おいしいお肉だ。そのうえで私たちは会話をなしている。肉を食らいながら。
「今までたいした挫折も知らないまま大きくなって、あるときに壁にぶち当たった。それは努力じゃ超えられなかった。」
その言葉を前に私はただ沈黙することしかできなかった。いつも私は大事なときに言葉を紡げない。脳内でどう言葉をかけるべきか迷う私をよそに、肉を食べる手は居場所を失って彷徨わせたままに、次なる言葉が届く。
「そのとき好きなことをしようって思った。」
「それをやり続けるのはとても