マッチングアプリ Aの場合。

2023年年末、ちょっとした失恋をきっかけにマッチングアプリをはじめた。

マッチングアプリでは女性の立場がそれはそれは強いもので、
始めてすぐにいいねが99+になる。

ほぼ顔出ししていないのにいわれるかわいい、雰囲気が素敵、といった言葉。虚構の承認欲求が満たされるような気持ち。

物は試しと、メッセージでやり取りした男性とはじめて飲みに行くことにした。年上の社会人。大学生の私からすると、だいぶ大人だ。

元来、私は年上好きだ。
自分より、年齢という変わらないもので絶対的に上の立場にいてほしい。
また自分よりしっかりしている人が良いし、尊敬できる人であってほしい。

あと見た目なら、かっこいいよりかわいい感じの人が好き。
犬顔。芸能人なら風間君。Aも、比較的犬顔に見えた。

やっと本当に好きになってくれる人と巡り合えるかもしれない、なんて淡い期待とともに、Aと会う日も自分なりにきちんと着飾って吉祥寺の街へ。


居酒屋の前で待ち合わせ。
第一印象は、「背が思ったより低い」

盲点だった。身長って結構大事、、
ブーツの私とほぼ変わらないくらい

居酒屋に入って面と向かって顔を合わせると、
印象とは違う顔、しかし決してブスじゃない。

けど、ちょっと肌荒れ気味だった。
、、自分はそんなところまで気になってしまうのか

見た目に関して、要求の少ない方であると自覚していた自分が、
アプリの相手に会ってこんなにも(もちろん自分の中だけであるが)
文句を言っていることが悲しくなる。
結局人は顔で判断するものなんだよな、、と。

その点、会話はそこそこ盛り上がった。
やっぱり普段出会わない人との会話は、それだけで面白いものだ。
まじめに仕事をしているようだったし、内容を聞いてもすごいと思えることばかり。
相手もまあ楽しかったのではないだろうか。

ただ、会話の内容がなくなってくるとほぼすべてが就活の話になった。
アドバイスをもらう、という立場での会話は正直楽なもので、飲みながら聞いてられるなんて得じゃん、なんて思いながら話す。

楽で得、だけれど、そんなに楽しくはない。
きっとこれが正直なところなのだろう。

「自分より、年齢という変わらないもので絶対的に上の立場にいてほしい。
また自分よりしっかりしている人が良いし、尊敬できる人であってほしい。」

自分の恋愛で最重要だと思っていたこの観点を、Aはきっと満たしている。
でも、これじゃない、感。

なんとなく合うと感じる人、「価値観マッチング」なんてものもあるけど、
出会いって案外簡単じゃないんだなあ。


吉祥寺の飲み屋では、けっこう飲んだ。6.7杯くらいだろうか。
両方出来上がってきたところで、閉店の時間。

井の頭線で渋谷方面へ。
私は途中の駅、相手は渋谷まで。

「渋谷までついてきてよ」Aは言った。
所要時間がそこまで変わらないし、終電も大丈夫そうだったので了承し、渋谷まで行くことにした。

改札前で別れるとき、Aは
「もう一軒飲んでいかない?」
「いや、終電あるんで~」
「いいじゃん、俺は終電まだだし」
「いや、無理なんで、、」

あれ、おかしい。終電あるって言ってるのに、渋谷で降りて飲もうって?
全くそう見えなかったのに、ヤリ目だった?

、、気持ち悪い

ショックだった。やっぱり男はみんなそうなのか。
純粋に彼氏を探そうなんて思っていた自分が馬鹿らしい。

もちろんついていかなかった。さようなら。また今度!って言ったけどもうたぶん会わないね。

自分の人生にない経験だった。
知らない人と会って一緒に飲むという行動も、
知らない人に期待して、失望する感情も。

口には出さないけど、きっと相手も「思ったよりかわいくないやつが来たな」なんて思っているんだろう。そう考えると、期待も失望もお互い様だ。

こんな感情になるなら、辞めてやる!
そう考えるのが自然かもしれない。
だが、私はなぜかもっといろんな人を経験したいと思った。
ショックも多いだろう。でもそれも含め私の価値観をつくり、理解する機会になるはず。
純真無垢な私(笑)には刺激が強いかもしれないけど。


限界大学生ういかは、出会い厨になることにした!!





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