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川崎大師大開帳参拝 24 南無大師遍照金剛

南無大師遍照金剛とは

 境内の賽銭箱の前に掲げられているのが,ご法号「南無大師遍照金剛」である.これが何かしらない人が案外多い.赤札待機列で南無大師遍照金剛ってなに?なんで,御札は南無大師遍照金剛じゃないの?みたいな話も結構耳に入ってくる.
 南無大師遍照金剛とは,簡単に言うと,御大師様に帰依しますということになる.
 南無は,南無阿弥陀仏でも解説したとおり,帰依しますという意味である.大師は,御大師様のこと.遍照金剛とは,御大師様の灌頂名で,大日如来の別名でもある.遍照「遍(あまね)く,照らす」金剛「ダイヤモンド」といったところであろうか.仏法の光をあまねく照らすダイヤモンドのような存在という解釈ということになる.

なぜ南無大師遍照金剛ではないのか?

 南無阿弥陀仏は,御大師様が信仰していたんだから,自分に帰依しなさいなんて,御札を書かないだろうということになる.その前に,大師号は諡(おくりな),諡号である.南無大師遍照金剛といえるのは,御大師様が亡くなってから約百年後である.
 空海が弘法大師となったのは,入定後,約百年してからである.空海の入定までの年代は,774年~835年であり,弘法大師が贈られたのが921年である.南無大師遍照金剛は,入定後約百年後からである.

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