【中学受験算数】ピークをどこに持っていくか

中学受験において「ピーク(※)をどこに持っていくか」ということを、はっきり意識しているケースは少ないかもしれません。
もちろん、改めてそう聞かれると、ほとんどの受験生や親御様は「入試本番にピークを持っていきたい」と回答されますが、実際の取り組みに反映されているケースは少ないと思います。

(※)受験生の中でのポジション(偏差値、順位)が最も高くなる時期。
例えば、偏差値が5年前半56→5年後半59→6年前半63→6年後半61の場合は、6年前半がピークということになります。

例えば、塾の復習テスト対策を重点的に行って成績を上げる方法は、早ければ5年生前半、遅くても6年生前半にピークを迎える可能性が高いです。
逆に、最後の追い込みでの伸びしろを過信して、そのまま行けば入試本番の数ヶ月後にピークを迎えるような取り組みをしているケースもあります。

難関校受験において確実性が高いのは、6年生9月までは量をこなすことを優先し、10月以降に精度を高めていくという方法です。
この方法を実践すると、11月から12月にかけてピークを迎えられるケースが多く、6年生後半の学校別模試や過去問演習で結果が出やすくなります。
ただピークを迎えてから入試本番までにやや失速してしまうケースもあり、それが唯一の難点と言えるかもしれません。

少しリスクは上がりますが、6年生11月まで量をこなすことを優先し、12月以降に精度を高めていく方法もあります。
この方法だと、12月後半から1月前半にかけてピークを迎えられるため、入試本番までに失速するケースは少なくなります。
ただ学校別模試や過去問演習では結果が出づらく、精神的な負担が大きくなるケースもあることが難点と言えます。

私は、以前は前者の方法(10月から精度を高める)を行っていましたが、直近2年間は後者の方法(12月から精度を高める)に変更し、特に今年は過半数の生徒さんが、全勝合格という見事な結果を勝ち取りました。
ただ、方法を変更してから2年ですので、まだ結論付けることは難しいかもしれません。

いずれにしても「ピークをどこに持っていくか」は受験戦略の根幹に関わることで、中学受験に限らず、大学受験などでも重要なポイントになります。


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