難関校合格者の多くは「目先の結果」を犠牲にしている【中学受験・算数】

算数の入試問題は、系統と難易度で次の4種類に分類できます。

①知識処理系の基本・標準問題
②知識処理系の応用問題
③思考系の基本・標準問題
④思考系の応用問題

この中で、難関校入試で多く出題されているのは②と④です。
一方、塾の学習内容は①が9割以上を占めているため、受験生の多くは②~④が手薄になっているのが実情です。
難関校対策としては、塾課題(①)と並行して自主課題(②~④)を進めていくことが有効です。

ただ、以前に別の記事(マンスリーテスト対策を行わない理由)の中でも触れましたが、自主課題に力を入れることで塾の復習テストの成績が下がり、結果的に自主課題を断念してしまうケースもあります。

塾の復習テストの成績を上げるためには、
・テスト範囲の徹底的な反復(解けている問題についても反射的に解答できるまで反復する)
・過去問や予想問題によるシミュレーション(解き直しまで行い、全問題が解ける状態まで仕上げる)
といった対策が有効で、各対策について偏差値5前後、両方を実践すれば偏差値10前後の向上が見込めます。

一方、自主課題ではこれらの対策を行わず、その時間で直近の塾課題とは無関係な内容に取り組みます。
そのため、塾のフォローや復習テスト対策は手薄になり、高確率で復習テストの成績は下がります。

私が過去に関わってきた中で、塾の復習テスト対策を優先する受験生、自主課題を優先する受験生のいずれも多かったのですが、難関校受験においては後者の成功率が圧倒的に高くなっています。

例えば、開成中学の合格者は18人全員が後者ですが、彼らの多くは塾の復習テストの成績が下がっても気にせず、自主課題(「中学への算数」など)を優先的に進めていました。

自主課題を進めていくためには、目先の結果(塾の復習テストの成績)を犠牲にすることへの理解と覚悟が必要です。
「損して得取れ」という言葉もありますが、目先の損を我慢できるかどうかは、難関校受験の成功率を左右する大切なポイントになります。


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