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むずかしい

ケーキを選ぶ時、ミルクレープが視界に入ると魅力的に感じてすすんで選んじゃう。
ほわほわで、すてき。
でもいざ食べてみるとそんなに好きでないので複雑な気持ちになる。生クリームを沢山食べるのが苦手で、食べる前までは美味しそうなのに、どんどん気持ち悪くなってくる。
これを何度も何度もやらかしている。
多分わたしはミルクレープが大好きで大嫌い。

小学校3年の初めに転校した。場所的には前と数駅しか離れてなかったんだけど環境は全然違った。
もともと赤点人間だったのもあってかとんでもなく居場所がなかった。
転校先は学力で地位がシビアに別れている感じで、男女間もとても距離があった。
友達がなかなか出来なくて、心から仲が良いと思える人が居なくて、ぬいぐるみのくーとまーが心の支えだった。
バレエもやってたからなんとなくそれも気分転換になってたかも。
生きづらかった。
早く高校生とかになりたくて仕方なかった。

https://twitter.com/kumakonemui/status/1303270073654677504?s=21

こんな感じにいろんなことがあった。

クリスマス近く、給食にケーキが出ると言われた。チョコケーキとミルクレープの2種類があって、予め自分の食べたいケーキを挙手で選んでおくものだった。
ミルクレープが、魅力的だった。
甘くて、クレープの層で無限に生クリームを楽しめて、最高だと思った。
ミルクレープに手を挙げようと思った。

「チョコケーキがいいよね」

明確になんて言われたかは覚えてないんだけど、友達はチョコケーキを推していた。1人じゃなくて、そこそこの人がチョコケーキを推していた。

「うん」

チョコケーキの方に手を挙げた。

数日後、給食で食べた。

まずくはなかった。でも、もっと美味しいものが選べたかもしれなかった。

悲しかった。
私はミルクレープが食べたかった。

学校は時に残酷だと思う。
小さい頭だと、そこが全てだと思い込んでしまうからだ。
現にその時の私がミルクレープを選ばなかったのは、学校という1日を多く過ごす世界で平和に生きるためだったからだ。

これがあってか今だにミルクレープは魅力的だ。
学校のフィールドも今となっては体験してよかったアトラクションだと思ってる。

生まれ変わった時には、難なくミルクレープを選べるような、いまよりもっと素敵なひとになりたい

かもしれない

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