揃える。(29/366)
デザインするとき「揃える」ということをしますが、この「揃える」というのがなかなか難しく。いまではほとんどのツールに「整列機能」という便利な機能があって、揃えたいオブジェクトを複数選択した状態で「上揃え」「中央揃え」「下揃え」などのボタンを押せば自動で揃えてくれます。等間隔に整列することもできるので、私もよく利用します。
四角いオブジェクトが2つあって、その上辺を揃えるとします。それぞれのY座標を調整して、同じ値になれば揃った状態になります。
では、四角いオブジェクトと丸いオブジェクトを揃えるとき、あなたならどうしますか?四角いオブジェクト同士の例と同じように、四角の上辺と丸の頂点のY座標の値を同じにするでしょうか?
これは実際にやってみてもらうと分かるんですが、四角の上辺と丸の頂点を揃えるだけだと、数値上は揃っている状態になるんですが、揃ったように「感じない」んですよ。丸の頂点のY座標の値を四角の上辺のY座標の値より少しだけ大きくする。つまり、丸の方が少しだけ上にある状態で揃ったように「感じる」ようになるんです。
こういう論理的なものと感覚的なものの間にいろいろなセオリーがあるのがデザインの技法で、それを理解したうえで、相手に何を伝え、どう感じてもらいたいのか(その結果、どう行動してもらいたいのか)を考えて、アウトプットすることがデザイナーの仕事だと考えています。