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BREAK THE SILENCE : PERSONA




なんどもなんども、喉の奥が熱くなるような感覚がした。


知らない土地の空気
少しできもののあるむくんだすっぴんの肌
私たちの知らない日常
地球の裏側から応援するファン
光り輝き飛び散る汗
紫の光で埋めつくされた大きな会場

7人の一点の曇りもない瞳

キラキラと輝くステージ上の彼らを見て思いだす。これが私たちの"日常"のご褒美だったのにな。



私たちの"日常"が失われてからもうすぐ半年が経つ。この半年で数え切れないほどの苦しみや不安や怒りを味わった。終わりの見えない現実にすら慣れ始めているわたしたちが、怖くてかわいそうだ。

今までの当たり前が通じない世界。大好きな人たちに会えない世界。最前線で戦っている人たちを除け者扱いする世界。コロナとの共存を目指す世界。レイシストがのうのうと生きている世界。それに対して何も思わない人が大勢いる世界。文化や芸術がより軽んじられる世界。新しいものに適応できない人たちが幅を利かせる世界。年寄りの男性がデジタルを語り女性の社会進出を目指す世界。強くて頭のいい女性をバカにする世界。働いても働いても手取りが10万円以下の世界。ルールにばかり囚われて先に進まない世界。この世界は氷山の一角に過ぎない。


もう正直、全部全部うんざりだ。


自分は呆れる程に恵まれている。四年生の大学まで出させてもらえて、都内に実家があって、奨学金の返済もない。就活せず一向に出ないビザを待ちながらもワーホリに行くことを応援してくれる家族や友達がいる。すべてが全然当たり前ではなく、まったくもって自分の力ではない。わたしはただ運が良かっただけだ。周りに恵まれた、ただそれだけだった。でもそれで終わらせていいのかな。何もないわたしだけれど、ちょっと言ってもいいですか?


わたしがいつもバンタンを見ていて感動するのは、常に新しい情報や価値観をアップデートし続け、共有するところ。これはすごく大変で、難しいことなのに。

自分の中での当たり前や常識という概念を常に疑い続けるということは、非常に根気のいる作業で、終わりもなく、正解すらないことも多い。間違えることだってたくさんある。それでも私たちは考え続けなければならない。今と昔じゃ幸せの形も生き方も人によって全く違う。違いを知り、最善策を考えることは他でもない自分のためだ。

フェイクニュースに惑わされず、メディアに翻弄されることなく正しい知識を取り込むこと。一番大切で難しいことを多忙なバンタンたちが一生懸命勉強しているのだから、彼らが作る作品を十二分に味合うためにもあみは知らなければならない。自分たちが持っている影響力をポジディブなムーブメントに転換することができるのが、彼らの凄いところの一つだ。


ジミンが、「自分が楽しいからこの仕事をしている」と言ったことがわたしはとっても嬉しかった。わたしは彼らを見ていて常々、自分の生きる理由を他人に見つけてはいけないと感じていたし、それはメンバーにとっても、あみにとってもそうで、自戒的な意味を込めて書くのだけれど、私たちはそれぞれのリアルな生活を生きている。少し冷淡に聞こえるかもしれないけれど、オタ活は余剰品であって生活の中心であってはならないと思う。(東方神起のチャンミンも言ってた)他人に生きる理由を見つけてしまうと、その人が自分の思っていた行動と違うことをした時、その愛が間違った方向を向いてしまう。その人が目の前から、または自分の心からいなくなってしまった時、自分の存在意義をなくしてしまう。何があっても、どんなに心惹かれる存在であっても、自分の舵は自分で持たなければならない。

だからわたしは、ジミンが自分の好きなことを仕事にできているから楽しくて幸せだと口にしてくれたことがすごく嬉しくて羨ましかった。

常に矢面にたっている彼らは数え切れないほどの心ない言葉に傷つけられてきただろう。前進的な血の通ったメッセージを発信することは、正しくても勇気のいることで、一定数よく思わない人がいることも確かだ。それでも今の人生が幸せで楽しいと言ってくれるなら、ファンとして純粋に嬉しい。辛い時に頑張れる理由があみであることはもちろん嬉しいけれど、根底にある仕事が好きだという気持ちを表現してくれたことに、わたしは何よりも胸が熱くなった。


彼らの発信したメッセージは実際多くの若者の心を掴んで離さなかった。その結果がBillboard2週連続一位なのだ。KPOPが、BTSが、ニュースタンダードを乗せて、世界中を駆け巡っている。


いつかのインタビューで「またステージで皆さんとお会いすることができた日には僕たちはきっと泣くと思います」そう言ったナムジュンを思い出す。絶対にあみもコールしながら泣く。「キムナムジュン!キムソクジ…」でもうみんな嗚咽混じりになって、チョンジョングク は正直言えない気がする。それでもわたしは、涙でぼやける視界いっぱいにバンタンたちの姿をとりこみたい。

私たちのがんばる日常のデザートたちに、早く会える日をただただ待っている。いつもわたしたちは同じ場所で、待ってるよ。


#BTS  #BREAKTHESILENCE

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