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2021シーズン イーグルス7回戦

F 6 - 1 E in札幌ドーム 対戦成績3勝4敗

ファイターズが日常に帰ってきた。

まだまだ不安はある。クラスター認定だし。
何しろ練習が出来てない。

トレーニングは出来ても、野球はコミュニケーションのスポーツだ。
投手の投げた球を捕手が受ける。もしくは打者が打つ。それを野手が捕る。そして、投手に球が返る。
コミュニケーションのサークルの完成。
それが野球だ。
だから、3日間ひとりで過ごすなんて、GWが休みになったのと同じくらい、選手にとっては初めての経験に違いない。

どれだけ不安だっただろう。
どれだけ孤独だっただろう。

いや、感染したり濃厚接触者になった人は今も、そういう思いを抱えているはずだ。
3日ぶりに仲間に会えて、みんなどんな思いを抱いたんだろうか…
キャッチボールが出来る喜び、仲間がいる幸福。
ファイターズはとにかく仲が良い。
だからこそクラスターも出たのだろうし、
だからこそ、大好きな野球を仲間と出来る喜びを、感じてもいるはずだ。
そんな気持ちが伝わる試合になった。

※気持ちはあくまで推測です。

先発バッテリーはバーヘイゲン-宇佐見。
立ち上がりやや高めにコントロールされているような気はしたが、粘って初回を無失点で終える。
4回にいきなり島内に一発を喰らうが、失点はこの一発のみ。ランナーを出しても粘り強く丁寧かつ気持ちの籠ったピッチングで5回1失点。
欲を言えば、もう少し長い回が投げられると良い。
しかし昨日は、調整不足が否めない投手陣に、出来るだけ投げさせたいというチームの意図が感じられた継投だった。
2番手は玉井。休養が効いたのか、チームの状況に奮起したのか、気持ちの籠ったピッチングだった。
2アウトから河野。ファースト中田の好守備で3アウト。これで気持ちがノッたか、回またぎでもいつものような長い間合いじゃなく、こちらも粘り勝ち。
8回は堀。調整が難しかったかな、と思わせる内容だったが、ドンピシャのダブルプレーに救われた。今の堀のクロスファイアはそうそう打てないだろう。現在奪三振率No.1は堀である。もっと自信を持って投げても良いはずだ。マウンドを支配するみっくんが見たい。
〆はロドリゲス。今年の彼は非の打ち所がない。(今のところは)杉浦と守護神を争うことになるかもしれない。

打者は中田が4番復帰。今のチームの真ん中はやはり彼しかいない。精神的支柱。ほんとは自分が支えられたいくらい甘えん坊なところもある彼だが、中田がいるというだけで、みんなは安心するのだ。杉谷の久々の二塁手も見どころ。それから代替措置の五十幡の出場も注目だ。
今季、涌井に2勝を献上しているファイターズ。ベストメンバーとは言い難い打線でどうなるかと思われたが、3回、杉谷の初ヒットがHRになる。これが涌井を狂わせたか。
同点にされて4回、ランナーを溜めて涌井を攻め、大田二ゴロの間に1点追加。右方向の心がけが実って大田が良い仕事をした。これが勝ち越し点。影の立役者は大田だと思う。
翌5回、先頭の万中がフェンス直撃の二塁打を放つと、9番宇佐見がしっかり送り1アウト3塁、杉谷が見事にスクイズを決める。チームの強い気持ちが伝わる良い作戦だった。これが涌井にはダメージになった気がする。
翌6回、1アウトから中田がヒットで出ると王が続き大田は再び右方向で送った形を作り、2アウト2,3塁から石井がセンターを破るタイムリー三塁打、涌井をノックアウト。勝負アリ。
ひとりひとりが繋いで点を取った、まさに全員野球で勝利をもぎ取った。

終わった後、ちょっと泣けた。
みんなよく頑張った。
スターを数々排出してきたファイターズだが、本来は全員野球が真骨頂だと思う。
みんなで楽しく野球をしよう、が心情のチームだ。
コロナは散々かき回してくれたが、初心に返らせてもくれた。
もう、野球が出来る、観られる喜びを忘れない。
ファイターズはコロナに負けない。
必ず糧にしてみせる。
そして、そんなチームを私は愛している。








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