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「債権回収受託のご通知」が来ました

久しぶりに投稿しますが、「債権回収」といった穏やかではない事件が起きて、家族で大騒ぎしたことを書いてみたいと思います。
当方が返金しなければいけないことは理解しています。ただ、代理人との間であまりにもお粗末なやり取りでしたので、皆様の今後の参考になればと思い、まとめてみました。

1.登場人物

まず最初に関係者を説明しておきます。

2017年4月1日から6月30日まで、東京M市にある英語教育に力を入れている幼稚園に勤務。教育方針に納得できず3か月で退職。聞いた話では、泣いていやがる園児に無理やり昼食を食べさせ、それを園長?上司?に「おかしいのでは」というと、「教育方針だから」と言われてしまい、それ以外にも多々違和感を感じて退職を決意。ちなみにここのホームページには、「園児に無理やり食べさせません」と書かれていますけど。
債権者
上記幼稚園の親会社で、業務範囲は幼稚園や塾などの教育関係全般で、最近はTV CMもやっています。
代理人
債権を回収するために委託を受けた横浜の総合法律事務所。東京が本社?本部?で、大阪にも支店がある大手です。

2.債権回収受託の連絡

1月27日に代理人より娘に親展で「債権回収受託のご通知」が届きました。
これには、
  債権者より回収業務を委託された
  債権内容は、「未払い社会保険料及び交通費等」とだけ記載
  金額は約22万円
  2月6日までに銀行振込するように
というような内容が書かれています。
娘から連絡を受けて、会社名、法律事務所名、電話番号などを調べてみると実在することは確認でき、新手の詐欺ではないようだと確認できました。
ただ、5年以上も前の話しですし、社会保険料や交通費を多めにもらったとしても一か月分の給料に相当するような22万円になるわけもなく、胡散臭さを感じ、地元の弁護士に相談する事としました。

3.弁護士に相談

週明けの1月30日に地元の弁護士事務所にコンタクトし、2月2日に相談を予約することができました。
相談した弁護士さん曰く
  この債権内容だけでは何とも言えない
  債権内容の詳細を要求するしかない
  それか、裁判まで行ってそこで債権内容を明確にするか
  時効は多分10年
と言ったような話をされ、内容から言って申し訳ないのでという事で相談費用は請求されませんでした。

4.代理人と連絡-①

2月2日に代理人である法律事務所へ電話し、以下のような会話を行いました。ちなみに債権回収を専門にやっている部署のようです。
  私  通知書を受け取ったが、債権内容について教えて欲しい。それに  
     5年もたって連絡してきているのはどうしてですか。
  代  債権者から連絡(手紙?)が行っているはずです。それに対して
     返答がないので、今回の通知書になっています。
  私  そういうものは受け取っておらず、初めての連絡です。
  代  (ちょっとビックリした感じで)確認して折り返します。
折り返しが無いので数時間後にこちらから電話をし、
  代  債権者からもらっている情報は債権内容と金額だけであり、債権
     者から娘さんに対して連絡したが返答がないので、この金額で決
     定しているとの事です。
  私  そう言われても連絡は受けていませんので、債権内容の詳細につ
     いて教えて下さい。
  代  わかりました。少し時間がかかるかもしれませんが問い合わせて
     連絡します。
これから言えることは、回収を受託した法律事務所は内容を理解しておらず、債権者から言われたまま書類を作成して送りつけている、という、非常に雑な仕事をしていると言えます(一般企業に務めた感覚では)。

5.代理者と連絡-②

2月13日にこちらから代理者に連絡しました。
  私  お願いした件はどうなっていますか。それとどうして5年もたっ
     て請求しているのか教えて下さい。
  代  それは前回要求されていないので、知りません。
  私  債権者に電話してもいいですか。
  代  電話しても同じことだと思いますよ。
  私  ともかく詳細を教えて欲しいです。
  代  わかりました、調べて折り返します。

6.代理者と連絡-③

2月15日に代理者から連絡がありました。
  代  債権内容は、退職後の7月25日に間違えて給料を振り込んだもの
     であり、残業分(約1.6万円)は削除しています。
  私  7月分という事であれば、給与明細を出してほしい。それとどう
     して5年経っていうのですか。
  代  何度も債権者から連絡したはずです。
  私  以前に連絡は受けていないので、水掛け論ですね。とにかく給与
     明細を見せて欲しい。娘にも振り込みがされたか確認するために
     銀行口座の明細を入手させます。
ここで初めて債権内容を少し理解できましたが、最初から「7月に間違えて振り込んだ給料分」と言ってもらえれば、胡散臭さも感じなかったのに、ボタンの掛け違いが起きているのが残念でした。

7.銀行口座の確認

2月17日に、4-7月の25日に給料が振り込まれていることが確認できました。
但し、7月の給料は約23万円であり、債権額約22万円との差が約1万円しかないのがおかしいと感じています。また、電話では残業代16xxx円を差し引いて、と言っていたのとも違っています。
ここまでで言えることは、
 1)余計に支払われているようなので、返金しなければいけないのは事実。
 2)しかし給料締め日(20日?)から6月末までは働いているので、その分
  はもらえるはず。
 3)債権額約22万円はほぼ1か月の給料なので、2)の金額が不透明な状況。

8.代理者と連絡-④

2/20に7月分の賃金台帳が送られてきたので、それを元に2/21に代理者へ電話しました。ちなみに賃金台帳は7月分と8月分のみが記載されており、8月分のところにマイナスの金額(債権金額)が記入されています。
  私  7月に間違えたであろう給与が振り込まれていることは確認でき
     ました。その上で、昨日いただいた賃金台帳に疑問があるので、
     債権者と3者で電話会議をさせてもらえないか。
  代  その必要はありません。
  私  何故ですか?
  代  その必要はないからです。
  私  では、疑問についてメールでやり取りをさせてもらえないか。
  代  その必要はありません。
といった感じで、あくまでも電話でやりたいとの意思でした。
なので、代理者に手元に賃金台帳を用意してもらい、
  私  7月に間違えて入金したのに、どうして残業代が含まれているの
     か。
  代  それは6月分です。
  私  賃金計算期間は7/1~7/31になっているが。
  代  一部上場企業はそういうもので、7/25に7/31までの給料を払いま
     す。そして残業代は次月となります。
  私  私も上場企業で働いていましたが、そんな話は初めて聞きまし
     た。
  代  そういうものです。
私は半分呆れて、話を変えました。  
  私  とにかく、返金しなければならないのは理解しているが、債権金
     額の明細がわからないので、これでは支払いはできません。
  代  先方に伝えます。
  私  それと、振り込みは先方のミスなので、送金手数料は差し引いて
     いいか。
  代  手数料はそちら持ちです。
  私  まあ、330円程度でがたがた言いたくはないので、ミスについて
     の謝罪が欲しい。
  代  先方に伝えますが、多分無理でしょう。
  私  そうでしょうね。HPには社員22名と書かれていますので、給与関
     係は外注でしょうし。
  代  2/26までの振り込みがなされない場合、次の段階、裁判への移行
     を考えています。
  私  裁判になったら、詳細がわかりますね。とは言っても、事前に明
     細を送ってください。
と言った感じで、債権金額の明細を待つことになりました。

9.代理者と連絡-⑤

夕方に代理者より電話があり、債権金額について説明しようとしたので書面での説明を改めて要求しました。すると、
  代  郵便で送っていると2/26の振り込みに間に合いませんがそれでい
     いですか。
  私  では、メールで送ってください。
  代  メールには対応していません。
  私  それでは仕方ないですね。
  代  娘さんは振り込まれたお金は使われたのでしょうか。
  私  お金に名前は書いてありませんし、5年も前なので使ったと言え
     ば使ったでしょうし、銀行にあると言えばあると言えますね。
  代  使ったのであれば不当利益にあたりますし、利子も発生します
     よ。
  私  知らなかった善意の場合は利子は発生しないですよね。
  代  こんなに揉めるケースは初めてですよ。
  私  そうですか。私は明確にして欲しいだけです。
等のやり取りを行いましたが、
  代  それでは速達で送るようにします。
で、終わりました(今回は録音していないので曖昧な部分があります)。
なんだか訴訟をするぞ、という脅しになってきていて、先日相談した弁護士に明日にでもコンタクトしてみようと思っています。

10.決着

翌日の2/22午前中に弁護士事務所にコンタクトしましたが、お忙しいようで予約は来週の2/27になってしまいました。この時は、訴訟も覚悟し、その中で債権金額の明細と、どうして5年も経過しての請求となったのかの顛末を要求する事を考えていました。

しかしながら、夜になって、娘から明細が代理人から送られてきていると連絡があり、明細を入手することができました。どうやら、約束通り速達で送ってくれたようです。
 
明細はエクセルで作ったであろう支給額、控除額等の明細が、誤振込とあるべき振り込み別に表になっており、その差異が債権金額であると記載されていました。
5分もあれば作成できるような表ですが、これこそ私が最初から知りたかった内容であり、特に作為的な数字もありませんでしたので、これで払うべき債権金額が明確になりました。
5年経過の顛末を知りたいところではありますが、これ以上揉めても仕方ないと思い、この話を終わらせることにしました。早速娘に連絡し、支払処理を行ったのは言うまでもありません。
 
約1か月に渡った騒動ですが、
 (1) 電話番号で検索すると、詐欺というような書き込みも見受けられ、最初 
  は新手の詐欺かと思いました。ただ債権者名は過去に働いた会社でもあ
  りますし、最終的には無視はしませんでした。
 (2) 回収を受託した法律事務所は内容を理解しておらず、債権者から言われ
  たまま代理者が債権回収の書類を作成しているようです。
 (3) 過去に契約関係などで弁護士と話す機会はありましたが、今回は立場が
  違う事もあり、代理人の対応の悪さに少し呆れました。相手(私のこ
  と)が何を知りたがっているかを考えればすぐわかって解決するのに、
  適当な対応をして結局長引いてしまいました。自分の部下だったら、別
  部署に異動してもらうレベルでした。
 (4) メールでのやり取りを依頼しましたが、「必要がない」の一点張りでし
  た。これは代理者の身元をオープンにしないためなんでしょうか、それ
  とも代理者がメールを使えないのでしょうか。
 (5) 最初は簡単に回収できると思って適当に対応していたようですが、最後
  の方は代理者の方が焦っていたように思われます。自分の査定にでも関
  係があるのでしょうかね。
 (6) 当月末日締めの当月25日払い、という給与支払いをする会社があるこ
  とを知りました。代理者いわく、世の中の一流企業と言われる会社のほ
  とんどはこのシステムらしいですが、26日~月末分を先払いしているわ
  けで、そのような会社が多いとはとても思えません。ちなみに残業代は
  翌月払いだそうです。
 (7) 債権者は何度も通告の手紙を送ったという事らしいですが、一度も受け
  取っていないのが事実。やはり書留や内容証明郵便などで送るべきでは
  ないでしょうか。そうであれば履歴も残ったでしょうし、受け取ること
  ができて法律事務所を介さずにもっと早く解決していました。
 (8) 債権者のチェック体制が不十分であり、給与の過払いをしてしまったわ
  けで、今後はこのような事故が起きないように「なぜなぜ分析」などを
  使って発生原因を掘り下げてもらいたいです。
 
と言ったようなことを考察しました。
何かの参考になれば幸いです。

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