【モリゲーム】テキストを読まない人との対決
【モリゲーム✕FF14】
そのグルガン族の男は静かに語った…
「この人大丈夫ですか」
【モリさんは本当にヤバかった】
Q.何がヤバかったの?
A.全部。ていうかモリさんのモリさんたる要素全てが、MMORPGとの相性が悪い。
A.配信で起きた事例を平たく列挙する。
ストーリーの行き先がわからない(よくある?)
やりたいことに対する操作が分からない(よくある)
人とNPCの区別がつかない(よくある?)
クエストの文章を読まないで受注したので、クエストの次の目的と進行方法が分からない(よくある?)
エモートでイベントが進むケースを理解したため、他のクエストNPCにエモートをして「これで進行するんだな」と理解(たぶんあんまりない)
「セーブはどこだ」と混乱する(よくある?)
もちろん、MMORPG超初心者の「ネットに上がることのない体験談」ぐらいの話として想定出来る範囲ではあるが、ある程度のゲームをプレイしている人がこのムーブだった点に、改めて衝撃が走ったわけである。
これは"ヤバい"ぞ、と。
Q.モリさんがヤバいのは分かったけど、なんでそんなに驚いたの?
A.「RPGにおいてテキストを読み飛ばし、読み飛ばした後に何をすればいいかを考え始める」という点。
突然だが、自分がRPGに求めるのは「テキスト」である。
テキストとは「フレーバーによる世界観説明」「クエストの内容説明」「仲間NPCの会話」「プレイ操作チュートリアルなどのシステムメッセージ」などいろいろあるが、言ってしまえば「ゲーム中に表示される、『プレイヤーの意志と理解を誘導する文章』のこと」である。
・RPGとは物語、つまり『プレイヤーが話を読む』ことが主軸であり骨子である
と自分は考えており、RPGにおいて「テキストを雑に読み飛ばす」というプレイング自体がほぼ考えられない行為ではある。
話を元に戻す。
モリさんの場合、まず最初に表示された文章を"眺める"。
1.眺めた後、強調表現(大文字・色替えなど)がなければ、それら全てを「重要な情報ではない」と判断するようだ。
※この流れを【情報の価値判断】と呼称する
2.その後、その表示された文章を元に展開されるイベントを進行させる。
3.進行させた後、表示された文章の理解を前提にしたイベントがスタートする。
4.「あれ、今から何すればいいの?」「詰んだ!」
⇒詰みである。(場合によっては)
※FF14側のフォローをすると、そもそもクエストにはクエストログがあり、クエスト目的や関連NPC/ターゲットなどいつでも確認可能。
この流れが、RPGを始めたプレイヤーとして噛み合っておらずに驚いたのだ。
※とはいえVPの配信やってる時からそうだったので前歴はあるのだが…
Q.そもそも何故モリさんはテキストを読み飛ばすのか?
結論から言うと、
・情報の価値判断が出来ない単語がある場合、その単語が含まれたテキストの理解を保留/スキップする
・それでいて「もし本当に重要な単語、文言であればまた後で聞けたり確認したり出来るだろう」という認識がある
という以上2点で、読み飛ばすかどうか決めているのではないか。
簡単に言うと「分からなくて困った時に確認すればヨシ!」という方針である。
モリさんの「情報の価値判断」方針について
改めてモリさんの「アクションゲーム」のプレイを見て頂きたい。
スーパーマリオワールド
ロックマン5
スーパーマリオブラザーズ3(SFC版)
スーパードンキーコング
スーパーマリオ64
テニス
お分かりいただけだろうか。
いや、分かってくれ。
「情報の価値判断」の更新と頻度について
つまるところ、アクションゲームにおいては「死にながら覚える」というスタンスでもゲームを進行し、クリアまで出来てしまうのだ。
アクションゲームにおいては終始こんな感じのモリさんだが、次に紹介するタイトルではまさにS級の適性を発揮している。
https://www.twitch.tv/collections/KLM0YUtODRbuBA
「逆転裁判シリーズ」の実況配信である。
配信のたび、視聴者という名のヤカラに感嘆と驚嘆と悲嘆の永パがねじ込まれることに定評がある、「逆転裁判シリーズ」の実況配信である。
「サイパンのモリさん」は存在するのか
問題は何故モリゲームにおいてこのシリーズがある種の異端であり、いわば「『モリゲーム』という概念に対するセルフカウンター」として機能しているのか。
それは「推理」という分野において、モリさんが何故か絶妙なアテ感を持っている点がある。
逆転裁判シリーズのプレイ経験があるか、もしくは配信を追ってもらうと分かるのだが、逆転裁判というゲームはゲーム内で「どの情報が重要か」が分かるように設計されている。
具体的に言うと、【赤色で表示された単語】である。
この「赤文字の情報(≒指示)」を念頭に置いて推理を組み立てていくことで、大まかではあるがゲームを進行させることが可能である。
つまり、逆転裁判では情報の価値判断をゲーム側が行っていることで、モリさんの苦手要素である「情報の価値判断」とその更新を行う必要がない。
逆に、アクションゲームの場合、どの情報が重要かはその場面瞬間で異なるし、並行して操作や周辺視も行う必要がある。
なので、モリさんがテンパって落ちたり自害する時には障害事象の複合、シビアな操作の連続などのミス誘発要因が発生しているのである。
まあ勝手によそ見して落下死することもあるが。
話をまとめる。
・ゲーム側が【情報の価値判断を代行する】ことで、モリさんがテキストを読み飛ばさない
この点が逆転裁判との相性が良いと言える点であり、「サイパンのモリさん」が存在する理由だと考えられる。
また、他にも逆転裁判との好相性を示す例がある。
モリさんの特性である「読む速度と理解速度の比率が1:0.2くらい」という点についても、ゲーム側が早く進めることを要求しない設計である。
このため、モリさんのペースで情報を整理し、推理が可能である。
(たまにモリさんが不本意な連打で読み飛ばすことはあるけど、もう一度揺さぶれば同じテキストが表示される点で介護が出来ている)
さらに、逆転裁判は「テキストの表示行数が2行しかない」という点が大きい。モリさんは「3行以上のテキストをほぼ読まないか、読み飛ばす」という方針がある。が、そもそも表示が2行であれば読み飛ばしても読み飛ばさなくても物量は大きく変わらないし、そもそも読み飛ばす頻度自体も大きく下がるのである。
まとめよう。
サイパンのモリさんが存在する理屈は、
1.ゲーム中、「ゲーム内アイテムが持つ情報の価値判断(=つきつけるを要求される場面)」をする場面が定期的にある
2.ゲーム側が「情報の価値判断」を代行しているため、モリさんはテキストを読む
3.苦手なテキストをモリさんが飛ばさず、かつゲームが「モリさんの認識している情報」の更新を急かさないため、「モリさんのリズム」で情報が更新される
4.1の場面に必要な情報がモリさんの中に揃っている
⇒モリさんの推理、行動が適切に進行する
という流れでサイパンのモリさんが存在すると考えられる。
ちなみに、モリさんのアクションゲームにおける思考方針の一つである、
・一度でも大活躍したアイテムは評価を上げ、常に頼れるアイテムとする
・詰まったら「頼れるアイテム」をまず第一に用いる
※ラッシュジェット、ラッシュマリンなど
というスタイルも「情報の価値判断基準を頻繁に更新しない(大変だから)」という点から考えると納得しやすい手法ではある。
【この配信で得た知見】
「MMORPG」はゲームの中でも「高めの熟練度」を要求するゲームジャンルである、という点の再認識
とはいえ、この辺は「経験者のサポートで解決可能な問題」でもあるので、プレイ者に高めの熟練度が必須というわけではないんだよな。
配信でも多少説明されていた「メンター」のシステムもそうだけど、ボイチャなりテキチャで質疑応答してくれるだけで一人前のプレイヤーになれることは可能である。
疲れたので終わり。
【大切な追記】
http://game-ring.com/%e4%b8%80%e8%88%ac%e4%ba%ba/
モリさんのゲームプレイについては本人による真摯な説明文がありますので、こんなヤカラ文言よりそちらを読んで徳と解像度を上げてください。
FF14配信のアーカイブについては一番上にリンク貼ってありますが、改めてこちらにも貼っておきます。
https://www.twitch.tv/videos/1444251051?ab_channel=moritu_on
ついでに、モリゲームのチャンネル本体もリンクしておきます。
プレイは人を選びますが、モリさん自身は礼儀正しく篤実な人柄です。
本当です。
プレイは人を選びますが。
https://www.twitch.tv/moritu_on?ab_channel=moritu_on