新年度予算案:子育て・教育施策

おはようございます。今日は新年度予算案のうち、「子どもの可能性を広げる千葉の確立」、子育て施策と教育施策について紹介します。
県独自の専科教員の大幅配置、都道府県として全国唯一の学校給食費無償化への補助など、新年度予算案で重点的に拡充した分野の一つです。

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【子育て施策の充実】

○ 子どもの資質や能力を一層育むため、県独自の「自然保育」に関する認証制度とその支援策をはじめ、保育の質の充実に向けた取組を推進します。なお、千葉県は以前より保育士の給与を月2万円改善する市町村に対して補助を行う県独自の支援制度を設けており、新年度も23億円の予算を計上しています(埼玉県や神奈川県には無し)。

○ 結婚支援を含む少子化対策に県全体で取り組むため、県と市町村で構成する協議会を設置するとともに、市町村と連携したセミナー等を行います。

○ 子ども医療費助成について、頻回受診や長期入院の子を持つ世帯を支援するため、令和5年8月から制度を拡充し、自己負担の上限額を導入します。

○ 児童虐待防止対策について、引き続き児童相談所職員を増員するとともに、 児童相談所の新設・建替え、児童相談所の業務改善、関係職員への研修などに 総合的に取り組みます。特に令和5年度は、児童相談所職員の採用広報を強化 するほか、里親養育包括支援機関を活用した里親委託の推進や子ども家庭110番の体制強化に取り組みます。

○ ヤングケアラーの支援体制を強化し、適切な支援に繋げるため、関係機関 職員向けの研修を引き続き実施するほか、相談窓口や当事者同士が悩みを相談しやすい場を設置します。

○ 児童養護施設等を退所する児童が経済的事情に関わらず進学できるよう、 民間資金を活用した給付型の奨学金制度を創設します。

○ 極低出生体重児等の成育を支えるため、専用の母子手帳として「リトル ベビーハンドブック」を作成します。

これに加え、2月補正予算案において子ども食堂の運営団体に対して補助を行う事業も盛り込んでいます。

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【教育施策の充実】

○ 私学教育の振興と保護者負担の軽減を図るため、私立学校経常費補助について、県単独の補助単価を高校、幼稚園ともに2,000円ずつ引き上げます。 この分野は既に全国7位、首都圏では東京に次いで2位となっており、千葉県内の私学の初年度納付金は首都圏で最も安価となっています。

○ 多子世帯の経済的負担の軽減を図るため、市町村と連携し、第3子以降の義務教育期間における学校給食費を無償化します。市町村が実施する給食費無償化に県が補助するのは全国で千葉県だけです。県の補助により殆どの市町村で実施され、4万人以上の児童が無償化の対象となったほか、県の補助も後押しとなり、市町村独自に第2子も無償化する等、新たな施策が生まれています。

○ 理数教育や技能教科の指導の充実を図るため、県独自の専科教員等の配置を公立小学校140校に拡充するとともに、塾講師を活用して算数の専科指導を 行うモデル事業を実施します。 県独自にここまで専科教員を配置するのは全国でも例を見ない取り組みです。

○ 高校生の情報活用能力の向上を図り、デジタル社会で求められる人材を育成するため、実践的な課題に取り組めるデジタル教材をモデル的に導入します。

○ 県立高校の授業においてICTを効果的に活用するため、モデル校を巡回 して授業改善を行う専門人材を配置します。

○ 学校における実践的なキャリア教育を推進するため、本県が抱える課題の 原因分析のための調査を行うとともに、県立高校の普通科においてキャリア デザインを学ぶプログラムをモデル的に実施します。

○ 生涯にわたり必要な知識を学び直すリカレント教育を推進し、社会に求められる産業人材の育成につなげるため、産学官の連携体制を構築するための協議会を設立するとともに、学び直しの動機付けとなる講座を実施します。

○ 児童生徒が安心して学校生活が送れるよう、小学校と高校におけるスクールカウンセラーの配置を拡充するとともに、課題を抱える高校生が校内で気軽に 相談できる居場所づくりも拡充します。スクールソーシャルワーカーは知事就任後の補正予算で速やかに大幅増員を行い、現場で様々な課題の解決が見られています。スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーともに千葉県は力を入れており、今後も拡充を進めていきます。

○ 性暴力等の被害を受けた児童生徒の保護を図るとともに、加害教職員に対し厳正な処分を行うため、外部専門家による調査を実施する体制を構築します。

○ 深刻な教員不足の解消を図るため、人材サービス会社と連携して教員志願者に訴求力の高い採用プロモーションを行うとともに、千葉大学教育学部と共同で 抜本的な教員確保策の検討に向けたモデル事業を実施します。

○ 教員の長時間勤務を改善するため、スクール・サポート・スタッフを増員するとともに、民間のノウハウを活用した業務改善に取り組むほか、休日部活動の段階的な地域移行に向け、人材バンクを設置するなど、市町村の取組を支援します。

○ 県立学校のトイレ改修について、設計と工事をまとめて発注するデザインビルド方式の導入を進め、大幅に前倒しを図り、令和11年度までに全てのトイレを洋式化します。また、学習環境の改善を図るため、県立高校の 特別教室における空調整備を進めます。

○ 特別支援学校の過密解消を図るため、整備計画に基づき、新設校の設置に 向けた改修工事を行います。

​千葉県は未来に投資を行う、という考え方の下、自治体として配分すべき分野に予算を確実に投入しています。

今は国の交付金、そしてインフレによって税収が上振れし、一瞬自治体収支が良いように見えますが、今後は歳出の部分も確実に増え、景気の悪化にも耐えられる基盤づくりが求められます。

コロナ禍で国の交付金が自治体に何兆円と配られ、様々な給付事業が生まれました。行政・国民ともに財政規律がおかしくなっていますが、千葉県は中長期的な財政見通しを持った上で、今後も必要な分野に確実に予算を配分していきます。

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