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YouTubeのバカ発見器と化しつつあるMarshallのJCM900の話

最近Orangeのパワーアンプを買ったのにスタジオに行けてない可哀想ないのくまです。

画像は、Sparganum proliferum というデスメタルバンドをサポートしてた頃のギターをオーバーホールし、現在のメインのバンド「満艦飾」ようにレストアした画像です。Sparganum proliferum は今年インドネシアから1stアルバムが出るそうなので良ければチェックをお願いします。


これは私の頃のSxPxですね、音がデカすぎてPA殆ど切られた時……新しいギタリストで3月に外タレの来日イベントなどライブもあるようなので是非御確認ください。



今日は最近YouTuberの方がレビューしてるJCM900について思うことがあるので真面目な話します。


1.JCM900っていっぱいある

いきなりですが本題です、MarshallのJCM900っていっぱいあります。
そもそも大別すると2種類、2100/2500ことHigh Gain Master Volumeと4100/4500こHigh Gain Dual Revrbe、さらに前者の派生機にSL-Xがいます。

さらに追求するとパワーアンプがEL-34と5881の2種類があるのです。

これ、どの機種もかなり勝手が違うので、国内のギターレッスンYoutuberの方を見ていると、もう少し勉強してくれ……となるわけです。
後述しますが、ぶっちゃけ全部構造が結構違います。
知っているとJCM900の音!とかJCM900の使い方!とかタイトルのできないレベルで……
というか気づかずに使っているなら、耳がよろしく無いか、そこまでのサウンドメイクの技能が無いと言ってしまっていいかもしれません。

余談ですがハードオフで偶に見かけるモデルでJCM900シリーズにはコンボなんかもあって、これが12インチ1発で持ち運びに良さげだったりします。(いきなりどうでもいい)


2.まず4100/4500から


パワーアンプまで語ると長いので割愛しますが、まずはHigh Gain Dual Revrbeです。
ラインナップとしては4100(100w)と4500(50w)の2種類です。

特徴は2つ、リバーブ付きであること、クリーンと歪みの2ch式でそれぞれにリバーブとマスターとゲインが1つづつ付いている使い勝手の良さそうな2ch式アンプです。
真空管だけの歪みではなく、ダイオードによるクリッピングが入っていたり、サウンド的には少し他のマーシャルにないクセを強く感じるかもしれません。

操作感は悪くないですが、他の2機種、同時期の6100などと比較すると過渡期のアンプである事がわかってくると思います。

YouTuberがよく弾いてるJCM900、スタジオによくあるスイッチで歪みを切り替えられるJCM900はこれです。


3.次にDual High Gain Master Volume


2100/2500という型番で、こちらが先行してリリースされていた気がします。
こちらはソロで音量を増せるようMaster Volumeが2つ付いたモデルで、クリーンは捨てているようなモデルです。
さらに、ゲインつまみは二つあり、Preamp VolumeとSensitivityとか書いてあったりしてリバーブ機能はなく、純粋な一点特化型と言っていいかもしれない仕様です。
前述の4100/4500と後述のSL-Xの所為で影に隠れ気味のモデルと言っていいでしょう。

特徴としては音作りの難易度が少し高いものの粘りのあるストレートなハイゲインサウンドが得られます。
今となっては少し歪みは浅い気もしますが、ハマると強いモデルという印象が個人的にはあり、生粋のリードギタリストやクリーンを使わないハードコアパンクの方に人気のイメージがあります。


4.そしてSL-X


SL-X Dual High Gain Master Volumeと書かれているモデルです。
SL-XはSuper Lead X-tra High Gainで、2100のプリ管が一本多いモデルです。
Mesa BoogieのMarkシリーズやRectifierやSoldano、5150など次々プリ管が4本積まれたハイゲインアンプがリリースされる中、MarshallはJCM900 2100/2500を改良し、プリ管を3本から4本に増設しさらに真空管で増幅、ゲインアップを狙ったモデルを投入しました。
確実にゲインアップされ、JCM900史上最もハイゲインで、伸びやかなサウンドを手に入れたというところが特徴でしょう。

JCM900苦手だわーという意識のある方は是非このSL-Xを試して欲しいと思います。
2100/2500を基にしており1ch仕様ですが、90年代らしい極上のハイゲインをマーシャルの音で楽しむことができ、JCM900という言葉の印象すら変えるアンプかもしれません。
意外とJCM900を雑誌のアーティスト機材で見るとこれだったりします。


5.最後に


機材を紹介する動画は語弊や解釈によっては内容の誤りを生みがちだと個人的には思います。
正直このくらいの知識はググれば出てきますし、言葉が正しいかの公正は行うべきかなと昨今の動画を見て思いました。
代表例としてガラッと大きく中身が変わる割に誰も突っ込まないし気付かない、JCM900を大きく3つに分類して紹介してみましたが、他にJCM800もかなりの種類があります。Jubileeは逆に外観の変更がメインで中身が同じモデルがいっぱいあったり……

何かを紹介するなら、一回ググってみて欲しいよね……

ちなみにゲインが2個も入ってて音作りできんの?とかどうなってんの!って話は下記の過去の記事を参考にしつつお問い合わせください(ここで実はさらに仕様が増えるらしいんだけどね)



因みに…意外と好みが分かれる機種ですが、嫌いになる前にSL-Xや2100を弾いてあげて欲しいなというのが個人の感想でした。


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