4月4日


洗濯を怠りすぎて着替えのパンツがひとつもない状態になってしまったので取り急ぎノーパンで過ごしている。太腿の付け根あたりの開放感がありがたく、人間は本来こうして生きるべき存在なのではないかと思った。しかし、ノーパンで出社していいのはアダルトビデオの中だけという認識なので、明日朝着替えるタイミングで干してあるパンツを履こうと思う。

転職がしたい。会社が潰れそうだからだ。私のような末端の社員まで業績不振がわかるということはきっと限界が近いのだろう。前職が年間休日80日以下の職場だったので、土日普通に休めて夕方になったら帰れる今の労働環境を大変ありがたがっているが、私の後に入ってきた正社員は2人とも2ヶ月以内に辞めているので、どこかに致命的な欠陥があるのかもしれない。

せっかく今、土日に休めていて幸せなので、次もそのような場所で働きたいと思っている。そして、人並みに給料がもらえたらさらに素敵だと思う。私の知り合いにもそういう職場に勤めている人が何人かいるので、世の中にはそういう職場がたくさんあるのだと思う。

しかし、そのような仕事の中に、自分でもできる難易度の仕事はどれだけあるのだろうと思う。難しいことはほとんどできない。大小様々なドングリを、「大きいやつ」「小さいやつ」「帽子がケパケパのやつ」に分類するくらいの仕事ならできるだろうか。

不織布のマスクと帽子をつけ、ベルトコンベアで上流から流れてくるドングリと向き合っている自分を想像する。これは大きいと思う。これも。これは小さい。これはどっちだろう。大きくも小さくもない。これを大きい方に入れるなら、さっきのドングリを小さい方に変えたほうがいい気がしてきた。「大」と書かれたカゴの中から、さっきのドングリを探そうとする。見つからない。混ざってしまった。そうこうしている間にも上流からドンドンドングリが流れてくる。他の人は黙々と作業をし、私だけが慌てている。あ、ケパケパのやつが流れてきた。あれはレアだから自分のカゴに欲しい。取れた。あれ?さっきの中くらいのドングリは?どっちに入れた?上流からドンドンドングリが流れてくる……。

ダメだ。できない。自分のドングリ仕分けにミスが多く、他の人と比べて量も少ないことが偉い人にバレてしまい、会議室に呼び出されて怒られてしまった。マスクの下で号泣しながらなんとか平静を装い、「次から気をつけます」と言って頭を下げる。そんな姿が目に浮かぶ。

働きたくない……。キャリアというものに思いを馳せることもあるが、本音では、週に3回6時間ずつ、焼きたてのパンを店頭に並べるバイトをして、あとの時間はあてもなく散歩をしたり、大きい川を眺めたりしたい。もっと本音を言うと、人間を辞めてしまいたい。白く大きな犬になって飼い主を大好きになって暮らしたい。


話は変わるが最近物忘れがとんでもないことになっている。今日は定食屋で「先輩私決めました、カレーセットにします」と言った次の瞬間に「このおかず3種類セット?おねがいしま〜す」と全く違うオーダーをして先輩を絶句させ、トイレットペーパーを買うために薬局に寄ろうとして全然違うスーパーで冷凍のうどんを買っていた。2秒前の決意を忘れてしまうのである。なんなら、今も頭がしゃっきりせず、自分が何を言ってるかよくわからない状態で日記を書いている。
ここ数日いつもの薬に加えて気休めに出ている漢方と頓服の安定剤を飲み、睡眠薬を指定された二倍の量飲んでいるせいでバカになってしまったのかもしれない。医者もこういう人間に薬は渡したくないだろうし、もしかしたら怒られるかも……と、来る土曜日の通院に怯えている。

絵が描きたい。最近全然描けていない。忙しいわけではないのだが気が乗らないのである。元々筆が遅く、絵も上手い方ではないので「描くぞ!」という気合いや「昨日の続きを描こうかな」という惰性がなければなかなか手がつけられない。さらに、自分の拙さに落ち込んでしまうので、なるべくご機嫌な時に描かなければいけない。徒然なるままにSNSにカス嘘を撒き散らし、日記を頻繁に書いている時は大抵気分が落ち込んでいる時だ。生活の中に上手くいかないことが多すぎる。早く死にたいとは思わないし死ななくてよかったと思うことも多いけど、一体いつまでこうなのだろう。一体いつになったら、自分のことを大丈夫だと思えるようになるのだろう。


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