見出し画像

嫌いな兄が胃癌で亡くなるまでの半年間#2



胃がんと知ってからの日々

兄が胃がんと知ったのは年始で寒い時期だったのもあって、生活していても自分の周りの空間がモノクロでできているような、ただ淡々と時間が過ぎていく日々、悲しい、後悔という負の感情でいっぱいでした。
先生からスキルス胃がんのステージ4と告げられてから両親に伝えるまでの間、兄はどんな気持ちだったんだろう。
今も兄はどう思いながら過ごしているのだろう。
もし私から会話でも何かしらのコミュニケーションをしていれば。
もっと早く兄を検査に行かせたら。たらればしかでてきません。
兄とまともに顔も見ず挨拶しかしてこなかった自分を責めて泣いていました。
朝、目が覚めると「兄ちゃん胃がんなんだ。」と起きて1日が始まり夜になると携帯で「胃がん ステージ4」と検索をしては眠れなくなりました。
気を紛らわせるためにお笑い芸人のYouTubeを見て、でも気づいたら兄のことを考えてる。また違うYouTubeを見漁り、眠りにつくといった毎日でした。

兄は両親と同居していました。両親はいつも通りの日常を過ごすことを心掛けていました。母は朝起きて兄のワイシャツにアイロンをかけて、兄が会社に行くのを見送るという日々を送っていました。
仕事に行き続けていた兄、きっと普通に過ごすことで自分が胃がんということを少しでも忘れられ、気が紛れて毎日を過ごすことができたのかなと思いました。

兄は本当に死んでしまうのか、余命は?いつまで生きれるのだろうかと考えてばかりいました。詳しくは何も教えてくれないので調べるしかありませんでした。

満月の日

「胃がん ステージ4」検索

私自身、癌について何の知識もないので兄がどういう状況で何の症状があるのかでてくるか、余命についてなど調べました。
・ほかの臓器に転移がみられる場合はステージ4になる。
・ほかの臓器にも転移しているため手術による治療は難しく抗がん剤治療が主とした治療法。
・胸やけ、みぞおちの不快感、吐き気、食欲不振などの症状が出る。

兄が胃と他にも転移しているということがわかりました。
どこに転移しているのかはわかりませんでした。
母が朝と夜に兄の様子を見に行くとすやすや寝ていると言っていたので睡眠はとれていて寝れないまでの症状はそこまでないのかなと推測することしかできませんでした。
食欲不振についてはコロナに罹ってから症状があり、兄は日中食べずに帰ってきて、夜の食事は薄く切ったフルーツを2・3切れかしか食べれなかったそうです。
お味噌汁とか汁物がいいみたいと母に伝えましたが兄が食べたがらないと、明治のメイバランスだったら飲んでると言っていて、その時その時で食べれそうなものを聞いて少し食べたり、栄養補助食品を使うといった感じでした。食事の面は改善しなくてはいけないけど、どうしたらいいんだろうと悩みました。
余命は3カ月から6カ月と調べて出てきましたが、兄の体の状態がわからないし年齢でも変わってきたりするようなので、あまり信じずに把握だけするようにしました。


前日の実家の猫

次回

抗がん剤治療開始

よければ続けて読んでいただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました🐻





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?