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すなくるみ4について

すなくるみ4を読みました。おふたりとも、前回より言葉の選択に制御が効いているようにみえてはっとしました。神崎作品は一首目四首目、込谷作品は五首目六首目が特にいいと思いました。

込谷作品について。作風、という言い方は難しいですが、洗練されたケレン味がどこまで受けるかというのを問う作品群だと、いまのところ、捉えています。

この事柄について繰り返し思い出すのが吉田恭大の2023年11月1日のツイート。
「個人的には口語より文語の方がよほと享楽的だと思っているけれど、でも禁欲的に口語使える人口が増えない限り、そのロジックは使いようがない。」
『光と私語』について言っているものとしてしばらく頭をぐるぐるしていました。

あるいは、文体としてではなく、『光と私語』における詩語の禁欲性についても繰り返し考えます。動物は紙の上にも言葉の上にも、街の中にも繰り返し出てくるけれど、花がまったく登場しないこと。「花曇り」という言い回しの中と、〈鉱物の図鑑の中に花の名を探す〉という不在のかたちで二度だけしか出てこないと認識しています。


印刷は今日6月7日までみたいです。ぎりぎりですみません。





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