telepathy


どこか浮遊していた

まるで別の窓を覗くみたいに


若い女の子が握り慣れていないマイクを持って
手をあげて歌っている

彼女を見ながら私は別のことを
考えながらつま先からビートを感じ
身体を揺さぶっていた

だけど
外から聞こえてくる音が邪魔をする


果たされない想いは
この黒い箱に包み込まれていく

急に遠く離れた街からざわざわ電波を
感じる


誰かが私を呼んでいる


咄嗟に乗った終電


涙が止まらないのはなぜだ

眠りながら
ふと、

「この世に居ない人のことを思うと
急に哀しくなるのは
それはもうこの世界に居ないから?」

って考えた

近くにいると大切を
忘れてしまいやすい

そんなことを考えながら眠った

今朝、目が覚めた

まったく文字が頭に入って来ない

最後に会った日を繰り返し思い出して

忘れないようにと記憶のページを
開く


今日も
穏やかな時間が
君が居なくても流れている

強い日差しが私の涙に向かって照らす

お別れはいつも言えないまま

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