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人とかかわること、影響を与えること。

職業柄、同じ人とずっと一緒に仕事をすることは少ないが、
それでも半年くらい一緒に仕事をしてみると、
ある時、
これ以上一緒にいてはいけないと思う時がある。

これ以上一緒にいると、
自分自身が相手に影響を与えてしまう、
という危機感である。

この感覚は誰に対しても起こるものではない。

はっきりとした条件は分からないが、
・繊細で、物事を深く受け取る人であること
・その人自身に魅力があること
・相手が自分に対して一定の興味を持っていること
そんなところだとぼんやり思っている。


今、一緒に仕事をしている後輩が、このような状態になっている。
つまり、仕事で必要な分より多く、
私のことを自身の中に取り込もうとしているようである。

人は交流する以上、ある程度の影響は受けるものであるが、
繊細な人は影響の度合いが大きい。
だからこれ以上、相手が私の影響を受けてよいのか、
不安に感じている。

目には見えないが、なにかしらのラインがあって、
ここを超えたら、戻れないのである。
離れたくても、離れられなくなる。
私の存在や考え方が、人生のどこかに記憶され、影響を与えることになる。

私は私がかかわっていなかったときに形成された後輩が素敵だと思うから、
出来ればそのままでいてほしい。

私の影響は、
毎日の天気のように、
関わるその一瞬だけ覚えているような、
次の日になったら忘れてしまっているような、
その程度でありたい。


とはいえ、明日からも仕事でかかわるのであるから、
もうこれを止めることは出来ないだろう。

psycho-passというアニメがあるが、
優等生だった常守が、
狡噛が公安局から去った後、狡噛と同じタバコを吸うようになっていた。

離れていても離れられなくなってしまっている。
お互いの好きなもの、口癖、人生観…が無意識のうちに取り込まれてしまっている。

千と千尋の神隠しのハクではないけれど、
千尋はここへ来てはいけない。走って川の向こうへ帰ってほしい。

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