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自給自足の私が自給自足を勧めないわけ

自給自足の私が自給自足を勧めないわけ?

自給自足にあこがれる人はそう多くはないと思う。

しかし、確実にいるから、もしこの文が目に留まったら、

一読してほしい。

私は21世紀に入った年辺りから、

自給自足の生活を目指し始めた。

理由は、作ったことのない物でも自分で作る自信があった。

子育てが一段落し、妻と離婚したのも

理由の一つだ。

温暖化を防止し、地球環境にやさしい生活もしたかった。

ゴミを出す生活も嫌だった。

自給自足には時間と能力が必要

自給自足には、時間と各種能力が要る。

時間を稼ぐために

徐々に金を稼ぐ仕事を減らした。

それまで経営していた複数の会社を、

取引先などに断って徐々に閉じた。

それに合わせて

金で買っているモノを

自分で作ったり、

そもそも買い物の必要ない生活に切り替えていった。

ひとり身だから、

自分の使う物、食べるもの、着るもの

自分さえよければいい。

誰に気兼ねなく見栄も気にならない。

服などは今の在庫で一生着てもなくならないだろうから、

繕いや修繕で済む。

もともと有機農業の法人経営をしていたから、

食べるものは田畑で作れる。

これも商品作物とは違って、

納期やロットを気にする必要はない。

残るは通信費と電気代

生活するために必要な支出は

月5000円まで低下した。

年収6万円あれば生活できる。

最後に残った電気代は
当時自給できなかったので、将来課題とした。

しかし、ノートパソコンの電力ぐらいなので、

1000円もかからない。

通信費はさすがに自給できなかった。
電話は必要ないがインターネットは私には必要だったのだ。

自給自足できても手放してはならないもの

自給自足を目指し始めて、8年ぐらいたった頃。

私は、

「日本の政治を変えなければ、日本の田舎がだめになる。
このままでは自給自足の生活さえ脅かされる。」

と思い、日本の政治を変えようと、東京に出て行った。

月5000円のゲストハウスに住み(光熱費込み)、

自給用に作ってあったコメを友人に送ってもらっても、
月3000円程度の食費は増えた。

それでも、東京で月12000円ほどの生活費は、
自給自足のたまものだ。
移動のために折り畳み式の自転車を買った。

3万円程度だから、交通費はその償却費のみだ。
電車で移動すれば、一日千円や二千円吹っ飛ぶのが東京
1000円としてもひと月で元が取れる。

その増えた支出を賄う収入はアルバイトで賄った。

ゲストハウスは、秋葉原から歩いて1分だった。

神田駅まで自転車で1分のところに、

はなまるうどんがあった。

そこの朝4時半から、8時まで、週5日

アルバイトをした。

支出に対して十分すぎる収入だった。

中略

世捨て人が志を持つとき


私は自給自足と言う世捨て人の生活をしながら、

世の中を変えようと思った。
これは矛盾だった。

国会議員に立候補するためには

300万円の供託金が要る。

選挙費用を1円も使わなくても、

それは必須なのだ。

寄付を申し出る人を探すのにも、

金が要る。

私は、ネットを使って世間に呼びかけたが、

金を出す者は居なかった。

文章だけで他人を動かすのは

並大抵の能力ではない。

3.11の東北大震災と、福一の原発事故があり、

私は、自然エネルギーを普及させようと、

福島県南相馬市に自然エネルギー会社を作った。

会社も自分で作れば、10万円程度でできる。

SOLA株式会社だ。

法的に資格が必要なもの以外は

できないものはほとんどない。

私の設計したメガソーラーで、
全国の自治体の公募事業に応募し

中には沼地に浮かぶ水上ソーラーや、

名古屋と三重の境目の中州に作る500メガワットの

メガソーラーもあった。

我が社の他に応募したのは、日本の名だたる商社など巨大企業だ。

コストも、性能も技術も断然こちらが優位なはずなのに、

見え見えで、大企業に決まった。

採用されない最大の理由は、

聞いたこともない会社

こちらの資本力。

自治体の担当者は、役人だ。

コストや、性能や技術でなく、

無難さを求める。

大きな成功より、

失敗しない(と思われる)ことだ。

人は死ぬまで変わり続ける

反省は、

「一生『自給自足だけで生き続ける』

自分になれる。

そうなる。」

と思い込んだことだ。

人は死ぬまで「生きて」いたい。

この「生きる」と言うことは

「生物学的に生きている」

事ではない。

人として「何かをなすために生きる」

事だ。

自給自足は楽しむ程度に

この稿で言いたいのは、

自給自足を目指す人がいるのはいいことだ。

足るを知ることでもある。

しかし、いざと言うとき、

何かをなしたいと思ったとき

そこに行ける足掛かりを残しておくべきだ。

それには金は便利だ。

私が千万や一億残していれば、

今までやったことは

すでに立ち上がっていた可能性があるのだ。

時間や能力や信用は

ある程度までは金で買える。

それらをゼロから作り上げるには

何倍のも時間や、能力が必要で、

自給自足で生活できる程度の能力では

人生が終わるまでに間に合わないこともあるからだ。

自信があるあなたほど、

社会に復帰できる足掛かりを捨てきって

自給自足だけに突っ走ってはいけない。






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