2024年7月 川柳まとめ
7月の川柳は、107句＋連作7句＋投句5句、
全119句です。
7月自選7句
ホチキスの潰れた針が麦茶めく
咲いたままでマドレーヌが団扇めく
子供らの奇声しずかに立つ雷雨
壊れても崩すなんだかロマンだし
知りすぎてまとわりついた試着室
蜃気楼浮かべ耳からまちづくり
異教徒の免除決定通知あり
7月31日
ホチキスの潰れた針が麦茶めく
刺繍入りの羽が自慢 遠花火
林檎花 人形役を強いる母
レフェリーが公平でないサロメ戦
7月30日
サロメとはバーで出会ったぐりとぐら
7月29日
空缶に爪を集めるぐりとぐら
猫砂をチップに添えるぐりとぐら
クリームパンで鯨を釣るぐりとぐら
ボイラー以外補償されないぐりとぐら
鳴き声を偽造されてたぐりとぐら
柴犬に求愛されるぐりとぐら
（#ぐりとぐら川柳）
7月28日
軽やかにサマルカンドの船砕く
小麦粉塗ったアドミラビリス
カーテンレールにアイラインを描くサロメ
7月27日
えにしなど現身の馬夢のあわい
白昼夢のいと紅苺の加齢
憐れみのサマルカンドの肉親図
サマルカンドに見知った耳殼
サロメの皿の上の試合20点
7月26日
身をよじりアドラミティオの船飛ばす
日焼け跡ザリリと滲みる白昼夢
現身のカーテンレール・ピロートーク
えにしなど現身の草 夢のあわい
見ず知らずの顔を詰めてサロメの美酒
7月25日
咲いたままでマドレーヌが団扇めく
植えられて目と目のあいだにロリポップ
サロメの腹の上に凛と立つ
7月24日
肉球に蹂躙されているパンセ
子供らの奇声しずかに立つ雷雨
机の輪郭をなぞって夢になる
ポケットの中のサロメの色の猫
7月23日
目の前を横切る金眼のシク教徒
枯れ果てたサロメの目と目の間で
7月22日
毛の生えた背中を顔に押し付ける
磯の香を纏い大劇場に立つ
地響きの無理が祟った試着室
小食なサロメ鯨だけを食べる
7月21日
壊れても崩すなんだかロマンだし
邪なティーバッグ2個跳ねさせる
インターコンチネンタル・サロメ
7月20日
油吸う敏感肌用パスポート
詠むほどの回路無くとも生きている
初対面で自販機おごられ傷隠す
見る人もないひたむきに漕ぐ金魚
知りすぎてまとわりついた試着室
説き伏せたサロメのめくる花図鑑
7月19日
キラキラのピンクのブタに太い眉
是が非でもマトリョーシカを調教し
サロメの胸マリーゴールドの海だね
7月18日
繭の王 古切手なお華やかに
憎らしく立川マシマシ一味盛り
共犯者黒に滲んだ金眼の子
そう陳腐に違いないサロメの花言葉
7月17日
絶望という花言葉肩を舐め
サロメの茨教科書通り
7月16日
翼にひしめき合っている金魚
背を見せあい羽の付け根を比べてる
鼻に食い込む肉球と爪
濁り水目隠しをしたサロメの尾
7月15日
飛び出した桃の種爆ぜ爆弾処理
腐敗した甘い夢には蛆の夏
サロメ笑みへつらいきって棕櫚(しゅろ)の森
7月14日
ベビタッピふたごころある虹世界
桃の種ペシャワールまであとじさる
薄い地層から出土するサロメの火
7月13日
二人をもへだてていたかホッカイロ
真っ当に聞こえないふり地層ぶり
無様でも海辺のサロメと識る セラ
7月12日
やみくもに睡蓮に承知してもらう
蜃気楼浮かべ耳からまちづくり
聞こえないふりする桃はアレオパゴス
人並みにくたばるサブスクのサロメ
7月11日
動物の機嫌を取ってマヨを塗る
あなたなら信じてくれる目くらまし
つづきならひしめくキスをキスをこめて
サロメが鳴らす ららら戦場
7月10日
風呂満たすサロメの黒髪の腹部
7月9日
解放されてティアティラに爪
使い捨てカイロと二度の痴話喧嘩
嫌われる勇気もなくて滲んだ咳
琵琶鳴らし牡蠣の殻だけ積むサロメ
7月8日
通じれば良いじゃないかと他人事
首は貰っていきます、良いね。
ラプテフ海、ベリーを雑にトッピング
クーポンが示し合わせた期限切れ
眠たげに猫毛を梳かすサロメ、玉
7月7日
片翼の星座だけを数え
別れた後も七夕があり
茶碗の中に猫の爪先
鈴の音鳴らすピエロの肢体
星座になれぬサロメ海老反り
（#七月七日は七七の日）
7月6日
お茶請けにアンティオキアをたずさえて
ハザードを点滅させるサロメの呪い
7月5日
常夏を射殺した記念日
異教徒の免除決定通知あり
サロメのものさしが焼け落ちる
7月4日
古畑任三郎の手荒れ
さくらんぼの後頭部の丸み
サロメの手、湯切りをしのぐ確信犯
7月3日
セブ島でなくした主人が見ないので
保育士の手で沈められ目を開く
サロメをも名探偵にするファクター
7月2日
ふたしかな至福 植物園の檻
りんりんとサロメの世界観で見る
7月1日
茅の輪をまたぎ弾ける敵意
パブリック・エネミーの渡河で眠り込む
ナポリタン1滴がサロメを染める
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