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書き続けるためには、1/fを最大にすること

文章をずっと書き続けるコツはあるか?

というのは、文章を書くことを仕事にしている人からすると、永遠のテーマだと思う。その結論は最近「1/fを最大化させること」ではないか?と思い始めてきた。ここでいう「f」とは「frequency」の略であり、正確にいうと、「一番最後に文章を書いた日」と、「その一つ前に文章を書いた日」の差をさしている。

たとえば、昨日文章を書いたひとがいて、その前には、ちょうど7日前に文章を書いたとしよう。そうすると、f = 7 - 1 となり、「6」になる。そうすると、 1/f はだいたい、0.16(1/6)になる。だから、極論すると、今日その人が文章を書く確率は、16%程度になる、ということだ。

そして、この数字が最大化された方がいい、ということは簡単にいうと、「できるだけ、一番最後に文章を書いた日」と「その一つ前に文章を書いた日」を近づけた方がいいということだ。なぜ、こう思うようになったか?というとそれは1冊の本を読んだからだ。

最近、面白い本を読んだ。その本の名前は『データの見えざる手』という。日立の矢野さんという方が書かれている。

この本はざっくりいうと、ウェアラブルによって観測した「人のわずかな動き」を元に、職場の組織課題、小売店での売り上げをあげる方法などを見出していくー という話になっている。(めちゃくちゃ面白いのでおすすめ)

その中で一番印象的だった話が、物理学の世界で言われる、「カルノーサイクルの熱効率」の話だった。これは僕が理解した範囲でいうと、簡単にいうと、「ある種の理想的な環境下において、熱効率は、高熱源と低熱源の温度差で計算できる」ということだ。(詳しくは本をご覧いただきたい)

そして、実はこのカルノーの熱効率の話が、「人間の行動」でも当てはまるらしく、どうやら「ひとが1日のうちに、その行動をどれだけ取れるかは、その行動の振動数のボラティリティによって規定される」ということらしい。そして、それは人間の意志よりも影響が大きく、無意識下でコントロールさせているらしい。だから人は「データの見えざる手」によってコントロールさせているわけだ。

この法則自体は、正直、そんな気もするし、そんな気もしない。という印象だが、これは文章においてもそうかもしれない。言い換えれば、「今日、あなたが文章を書く確率」というは、現実的には「前回文章を書いた日と、そのもう一つ前に書いた日の間隔で予測できる」というのはありえるかもしれない。だとしたら、これをハックするとしたら、とにかく「前々回から、前回までの間隔を最小化させること」だ。

ここまで聞くと、それってじゃあ「毎日やれ!ってこと?」と言われそうだが、そういうわけではない。たとえば、タスク量1000の仕事があったときに

 (A)1日目に 10をやり 7日目に 10をやる、 よりも
 (B)1日目に3をやり、2日目に2をやり、3日目に1、4日目に2をやる…

後者の方法の妥当性を示している可能性が高いからだ。これは、日本が誇る数々の小説家の意見とも一致している。(毎日決まった量を少しずつ書くことが大事)

つまり、もしあなたや私が、明日も文章を書きたいと思うなら、とにかく「前回書いた文章の日」と「その一つ前に書いた文章の日」を最小化させることだけを意識し、文字数は気にしない、ということだろう。

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