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もう一度井戸に潜る

2020年は冬の時代になるー

というのは、今、自分自身が感じていることだ。私ごとだが、2019年には合計3冊の本を出した。『天才を殺す凡人』『分断を生むエジソン』『OPENNESS』という3冊だ。

それらの本の発行部数は、2019年度単体で15万部。エジソンと、OPENNESSは2019年11月28日が発売日なので、それを考慮すると、本当に多くの人に手にとってもらえたと思う。改めて出版社のみなさん、そして、広めてくださった皆さん、本当にありがとうございます。。

ただ、2020年からは「厳しい冬の時代」がくるだろう、と予測している。いや、というよりも、「厳しい冬の時代にすべきだ」と感じている。

厳しい冬の時代、というのは、新刊を出しても、想定しているより売れないーという意味合いをさしている。だからこそ、力を貯めるべきタイミングであり、もっと地道に自分の力をためていくフェーズ。もっと本や論文を読むべきだし、新しい人と出会い話を聞くべきで、見識を広めるために新しいことに挑戦するー それが2020年で必要になるのは間違いない。

著者としては、2019年は正直あまりにも、自分の実力以上のチャンスが舞い込みすぎたと思う。だが、「実力」や、「知識量」、「書く技術」「話す技術」「聞く技術」どれをとっても、この先まだ10年戦えるような状態には至っていない。「国家戦略の本」を書く実力には至っていない。だから、それを得るために、自分自身の力を蓄え、その後の10年を乗り越えるために、甘えた態度、調子に乗らずにコツコツと積み上げること、それしかないのだと思う。

人生というのは、明らかに「自分の中に凡人がいることを自覚してからの戦い方が、長期戦の結果を決める」と思う。黒澤明さんは世界的なヒット作になった「七人の侍」のあと、橋本忍と別れ、脚本の執筆方法を変え、中年で大スランプに陥った。しかし、その厳しい冬の季節を超えて、その後、「天国と地獄」や「赤ひげ」で復活した。誰にとっても、2度目の井戸を掘る時間は訪れる。もう一度井戸に掘り、そしてその中で自らのコアを作り直すしかない、のだと思う。

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