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ピクサーみたいな組織の作り方を、考えてみたい。

将来やりたいことはなにか?

と聞かれたら山ほどありすぎるのだけど、その中の一つは「ピクサーを作りたい」ということだ。時間軸でいうと、20年後(52歳ぐらい)までに作れていたらいいな、と思っている。それぐらい長い道のりだ。

ピクサーが作れたらいいな、と思う理由は3つある。

①若い人も、年老いたひとも、家族連れも、国籍に悩む人も、LGBTの人も、「みんなが傷つくことなく、楽しめる作品を生み出す集団」だから
②強いオリジナルストーリーは、永久に歳をとらないプロダクトだから
③組織戦略家として、もはやわけがわからないぐらい、作るのが難しそうだから。(=ワクワクする)

現実的な話、今からピクサーを作れるのか?と言われると、もはや「よくわからない」。というか、できない可能性の方が高いだろう。

でも、自分自身が作者として物語を作り続けて、かつ、会社の経営をしているからこそ、なんとなく現時点で持っている仮説もある。そしてこれは2つを両方経験しているからこそ、極めて高い感覚で「理解しつつある肌感覚」でもあると感じる。

今回は「ピクサーみたいな組織を作るために必要な要素」を、『優先的にいるもの』と『排除すべきもの』の2つで分けて考えたい。

【まず、優先的に必要なもの】

1、オリジナルのストーリーテリングに造形が深い脚本家・監督集団(最低3名はいるだろう)
  →「Original Story is King」を理解するには「Original Story Maker」であり、その批評をダイレクトに自ら受けた経験がなければ難しいだろう

2、強いテクノロジー(作品にリアリティをもたらすもの)
 →技術的クオリティが低いと、映像化した時点で一気に説得力が落ちる

3、創造性を磨き上げるための「強い組織文化」と「ブレイントラストと呼ばれる種類の会議体」
 →ストーリーやアイデアは生まれた時点では醜いアヒルのようなもので、それを愛情を持って育てるために必要な仕組み

4、集中的に物語のクオリティをあげることができる、物理的な環境と合宿的な機会
 →強いオリジナルストーリーを期限内に生み出すために熱量が集中的に集まる場所を作る必要がある。それは楽しくなければならない

5、爆発的にヒットし、安定的にCashを生み出してくれる、オリジナルストーリーシリーズ(1つ)
 →1つ以上は強いキャッシュカウがなければ、新しい挑戦をしづらい

6、歴史の共有
 →信頼がある状態で創造と破壊を繰り返すためには、チーム内で、互いにある種の神話を含んだ歴史を共有しておかなければならない

【後からでも、なんとかなるもの】
・これ以外の全て

ただ、『天才を殺す凡人』でも描いたとおり、創造性というのは脆いものなので、現実的には、これらに加えて、「絶対に排除すべきものを排除する」ことが重要であるのは間違いない。

これは経営でも同じだが、「間違ったものを入れないこと」はとても大事だ。後から取り戻すコストが凄まじいからだ。

【絶対に排除すべきもの】

1.サイレントキラーと、愛のない批評家と、先生タイプの人
→何がなんでも徹底的に排除しなければならない存在。(自分が頭がいいと勘違いしているビジネス小僧も見分けがつきにくいから注意だ)

2.妥協を許す、「馴れ合い」
→新しい物を生み出し続けるためには、必ず「まず破壊」「もう一度破壊」を繰り返す必要があるが、それを躊躇してしまう、馴れ合い。

3.「ストーリー」を肩書きによって意思決定してしまう文化
→物語の前では全ての人が平等である必要があるため、経営上の判断と、物語の制作の意思決定者はわけて考える必要がある。面白いストーリーを作る上では、全ての人が平等、ということだろう。

このnoteは息抜きみたいなものだけど、これから長い年月をかけて

「ピクサーってどうやって作れるのかなー」

というのを考えていきたい。今日も、明日も頑張ろう。コツコツね。


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