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本は総合格闘技の時代になった。

最近、本屋さんでのイベントに呼ばれることが多くなった。そこで話す話でなぜか、反応がめちゃくちゃいいのがこの話だ。

今の時代は「本が売れない」と言われるが、でも僕は不思議に思うことがある。それは「大きな本屋にいったら、人いるじゃん!」ということ。

東京にせよ、大阪にせよ、名古屋にせよ、少なくとも都心部では、大きな本屋にいくと、「たくさんの人」がいてむしろビックリする。「え?こんな人いる小売って他にある?」となる。あるいは、ビジネスリーダーたちと話していてもほとんどの人は「ちゃんと本を読んでいる」

となると、おかしい。

だって、業界のイノベーター(アーリーアダプター)と呼ばれる人が「本を読んでいて」、しかもマスマジョリティである人も「本屋にいる」。にも関わらず、本が売れないとはどういうことだろうか? (雑誌と新聞が減るのはよくわかる)

だが、それに自分なりの見解を加えるなら、「ルールが変わった」ということなのだと思う。これって、本は「総合格闘技」の時代に入った、ということなのではないだろうか。たとえるなら、これまでは「1種目の格闘技」だった。専門的なこと、文学的な表現だけできればいい。こういうことだった。でも、時代は変わった。

総合格闘技、それは、ありとあらゆる手段を使って戦わないと「売れない」ということなのだと思う。

そしてこれは、実は本だけじゃない。コンテンツそのものが「総合格闘技」になってきている、ということだと思う。

言い換えれば、本からみると「ライバルが総合格闘技になったので、本も総合格闘技にならざるを得ない」ということだろう。

たとえば、インフルエンサーの記事がバズるのは、それは50%はコンテンツだけど、もはや残りの50%は、その人のキャラクターや、普段のTwitterやInstagramによるところが多い。あるいは広告にしたってそうだ

以前、電通さんに面白いデータを見せてもらったが、今、「PR/SNSでのバズがない広告」と「 PR/SNSのバズがある広告」では、おったまげるぐらい効果が違うらしい。面白い。

あるいは『メモの魔力』の前田さんにしても、『言葉にできるは武器になる』の梅田さんにしても、本を売るための努力が尋常じゃない。先日、名古屋にいったとき、こんな小さな本屋にまで行っているの!?と驚くほど、二人のサインがそこら中にあった。前田さんはこれに加えて、テレビも、動画もフル動員している。

あるいはビジネスも同じだ。

いま、最も注目されるコンテンツプラットフォーマのNewsPicksさんにしても、記事はもちろん、動画から、イベント、講義、SNS、キュレーションなど、フォーマットがありとあらゆる多岐に渡っている。

コンテンツとは、フォーマット+中身で決まるのだけど、実はフォーマットが与える影響は圧倒的に大きい。そして、このフォーマットがもうめちゃくちゃに多岐に渡っているのだ。そこで勝者となっている彼らの共通点の1つは、すべからくみな「フィールド横断で戦っていること」だと思う。

でも、もっと大事なことは別にある。

それは「本気」だ。

格闘技の魅力の1つは「本気であること」だと思う。戦う人たちはいつも本気だ。同様に本も著者が本気かどうか、本気でいいものを作ろうとしているか、が大事な時代になった。なぜなら「嘘がバレる」からだ。Amazonや食べログ、SNSの発展によって「本気でやってないこと」はすぐにバレちゃう時代だからだ。

なにがいいたいか?

「本は総合格闘技の時代になったのではないか」ということだ。

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