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【英国旅行記】2023年 屋敷オードリー・エンドへ(後編:庭園・厩舎・菜園)

「屋敷(の建物)の外に広がる豊かな世界

屋敷の大きな魅力は、「建物そのものと様々な部屋部屋」、それにそうした内部を飾る「インテリア(天井装飾・壁面・絨毯・カーテン・窓からの景色)」、「美術品や家具などの収蔵品」が思い浮かびます。

私のような家事使用人マニアの場合は、上記のような「階上」と呼ばれる主人たちが暮らした華やかな世界とは別に、屋敷を維持した家事使用人たちの職場となる「階下」を偏愛し、キッチンや執事の執務室、ランドリー、あるいはそこにある食器や調理道具や洗濯道具など様々な仕事の生活の痕跡に魅力を見出していきます。

これに、「カントリーハウス」という屋敷の周辺を広大な領地に囲まれた場所の場合は、「屋敷を取り囲む風景」が「主人たちのための階上的審美の世界」であり、また「使用人たちのための階下的実用の世界」にもなっているのです。

Google Mapのキャプチャで味気ないですが、空から見るとこのように屋敷の周囲は囲まれています。赤いマークが屋敷の正面玄関です。

「階上的世界」 屋敷に隣接する整形庭園

少し論理的な話となりますが、前回の屋敷内部の話で見たように、屋敷の構造は次のようになっています。簡単に分類すると、「ゲストを迎え入れる正面玄関があるサイド」と、「その反対サイド」に分かれます。

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