『英国メイドの世界』（講談社版）絶版と電子書籍化のお知らせ
講談社から2010年に刊行した『英国メイドの世界』、実質的な絶版となりました。大変残念ではありますが、約9年間で8200部の販売となりました。今までお買い上げくださった皆様に、お礼申し上げます。
これまでは部分的な電子書籍化を行なった『英国メイドの世界 エッセンシャル版』が出ていましたが、2020/08/28より全ページを掲載した『英国メイドの世界 電子書籍版』の販売のみへと切り替えます。
■電子書籍化に際しての変更点
・紙と同じ固定デザインから、電子書籍に最適化された形式になります。
・これまでインデックスがありませんでしたが、電子書籍化でテキスト検索しやすくなります。
・【最大の変更点】
書籍版で許諾された版権画像が一部利用できないため、空白を示す画像に差し変わります。その画像を補うため、以下のリンク集を用意しました。
『英国メイドの世界』関連情報
以下、紹介記事です。リンク先には、PDF版での第1章試し読みもあります。
また、『英国メイドの世界』の実質的な続きとして「英国で家事使用人雇用の時代が終わった」ことを解説する同人誌『英国メイドがいた時代』も電子書籍化していますので、こちらもご確認ください。
『英国メイドがいた時代』であまり扱えていなかった、屋敷の暮らしの崩壊に繋がった要因としての「第二次世界大戦中の屋敷の接収」については、同人版を準備号として出しています。
今後の『英国メイドの世界』について
最初の商業出版で、その出版のために会社を辞めた経緯もあり、個人的には紙版『英国メイドの世界』をとてもとても大切に思っていました。その出版は「出産」ぐらいに、自分の時間をかけましたし、育てたいと考えました。
売れていれば絶版にならない点もありつつ、自分で努力しきれなかったこともありましたし、「絶版で情報が手に入らない」「古本が定価の数倍という状況はよろしくない」ことも踏まえての電子書籍化、となります。
10年前の出版時から資料も増えているので、先述の同人誌『英国メイドがいた時代』や『第二次大戦下の英国カントリーハウス 準備号』も含めつつ、ライフワークとしてアップデートしたいと思います。出版状況はわからないので、まずは土台をしっかり作っていきます。
最後になりますが、『英国メイドの世界 電子書籍版』の刊行前日の8/27に、屋敷と家事使用人の研究の原点的作品・テレビドラマ『名探偵ポワロ』に関する新書も出していますので（こちらは紙のみ→22/02/06追記：電書化しています）、あわせてお読みいただければ幸いです。
『英国メイドの世界』の序文でも、クリスティーの家事使用人への描写について言及していたので、感慨深いです。
これでもかというぐらいに『英国メイドの世界』の表紙がありますが、ご容赦ください。
いただいたサポートは、英国メイド研究や、そのイメージを広げる創作の支援情報の発信、同一領域の方への依頼などに使っていきます。