ダブルバギー

25%ルール、双子育児がきついワケ

昨年から、多くの取材を受けました。本業で受けることはこれまでもありましたが、あくまでも双子パパという立場で受ける取材は、記者に聞かれたことに明確な回答を出せずに「うーん」となってしまうこともしばしばです。

この前の日曜日に取材記事が出ました。双子や三つ子の多胎育児について紙面にすると、本当にさまざまなメッセージが届くそうです。

この記事とは無関係ですが、先日、「双子を選んで生んだのだから、自己責任でやるべき」という趣旨のコメントをいただきました。

双子でも、そうでなくても、授かったことは大変嬉しいことですが、自己責任論の根拠が「選んで生んだ」というレベルの話にがっかりしました。

取材を受けるなかで、どんなことが双子育児でつらいのか、大変なのかというご質問を毎回受けました。その都度、お風呂のとき、寝かせつけ、ミルク、外出など、さまざまなシーンを振り返りました。

それぞれに大変なこと、つらい経験、もちろん楽しいことや嬉しいことがあるわけですが、そもそも何がつらいんだっけ?と自問自答し続けました。

そのなかで自分なりにしっくりきたのが「25%ルール」です。名称は僕が勝手につけています。

ひとりでも、ふたりでも、育児が全部うまくいくことはありません。でかける準備が終わって、いざ外出しようとしたら「うんち~」とか。

寝たぞ!と、そ~っと腕枕になっている腕を引き抜こうとしたら起きてしまって振り出しに戻ったり。

食事も食べてくれればましですけど、お皿ごと床にぶちまけられ、新しいものを出して、地面にはいつくばって片付けしていると、新たに上からご飯がふってきたり。

朝起きてから寝るまでの間、育児にはたくさんの「やること」があり、たくさんの「うまくいかない」があります。

双子の場合、同年代の子どもが同時にいますので、おむつも寝かせつけも食事も二人分です。あたりまえですけど。

すると、ひとりの場合は「うまくいく」と「うまくいかない」の50%の確率でやることが進んでいきます。

しかし、双子の場合は、双子が両方ともうまくいくのは1/4で25%、残りの75%はどちらかがうまくいかないか、両方ともうまくいかないか。

ひとつの、一回のやることだけならいいのですが、これがすべてのやることで25%ルールが適応され、それが数年単位で続きます。

僕自身は、乳児から幼児にかけては「寝かせつけ」が結構鬼門で、どちらかがうまくいかないもありますが、二人ともうまくいかないときの絶望感は圧倒的でした。

もう少し大きくなると、病気です。インフル、胃腸炎、ヘルパンギーナ・・・たくさんの病気が子どもを襲います。保育園でもらってくるのが圧倒的です。

そのとき、二人とも感染しないのが25%なので、残りの75%になると保育園に預けられない、仕事ができない、日常生活も病院と自宅待機くらいしかなく、胃腸炎のときのマーライオン(双子+次男+長男)化したときは、もう妻とふたりで「笑おう!」と意気投合しました。

ここらへんは子どもがひとりでも起こるし大変です。そして双子だと50%ルールが25%ルールに強制変更されますので、この低確率の積み重ねが時間と体力、余裕を失わせ「つらい」や「大変」に結びつくのだと思います。

では、どうしたらいいのか?

そんな解決策や社会的サポートが、昨年秋から国や自治体でどんどん出てきていて、さまざまな関係者から公式、非公式でヒアリングをいただいています。

上記の取材でもありましたが、ウチの双子は4歳になったため、乳幼児の「苦行」は終わりを迎えています(あとおねしょ!)が、これから双子を、いままさに双子を乳幼児で育てられている方々に同じ苦行をしなくていいよう、微力ながらやれることをやってきます。

それにしても「選んで生んだくせに!」を根拠にした自己責任論は、怒りを通り越して笑うしかないです・・・


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