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生きるためのがん日記その2

2021年4月24日

さて。

いろいろあって明日いよいよ手術のために入院します。はしょりすぎ?笑

がんになったとは言え体調は特に変わらず、日々はいつも通りな訳で相変わらず忙しい。よくある「がんになって死を意識したら日常がキラキラと輝くようになった」みたいな大袈裟なことは起こらなかった。ちょっとはあったけど。

というのも私の場合娘が生まれてからこっち、ずーっとそんな感じなわけですよ。もうね、それまでとは全く違う。キラキラなんて生やさしいものでもなく、ジェットコースターのようなヒャッハー、な毎日なんです。楽しいことも大変なことも全部大盛り!みたいな。

なので、そこにがんが来ても正直あまり変わらなかった。いや、もちろん病態がまだそこまでシビアじゃないからではありますが。今も変わらず毎日はガチャガチャと楽しくて大変なわけです。

まあ、そうは言ってもそろそろ手術ですし、手術関連死や術後合併症など、近々死んでしまう可能性もゼロでは無いゾーンに入っていくので、それなりに準備をしなければ、となっている今。

今回は「遺書」をしたためようと思い。

皆さんは遺書って書いたことありますか。私は無いです。じゃあなんで今回書こうと思ったのかは、ここで説明すると全然遺書が始まらないので、早速本題に入ろうと思います。

娘へ

この手紙を読んでいるということはママはそこには居ないということですね。本当に悲しいけど、仕方ないことなのです。

まずはあなたに謝りたいです。病気のことを言わずに入院してごめんなさい。さみしんぼうのあなたが10日も私と離れてお友達のおうちに泊まる時にママががんなんだって知ったらさみしい上に悲しくなってたえられないのではと思ったので言わずに入院しました。

これはあなたを信用していないようなやり方で、どうしようかとてもなやんだんだけど、やっぱり言うことはできませんでした。なので、この手紙を書いておくことにしたのです。

ママはどうして死んだんだろう。今これを書いてる時点でそれがわからないのは当たり前なのでどうしようもないけど、死ぬ時あなたは私のそばにいてくれたのかな?何かお話できたのかな?ママは泣いたかな?あなたは泣いたかな?いまこの手紙を読んでいるあなたはどんな感じなのか、それが心配です。

でも、せっかくがんばって読んでくれていると思うので、つづきを書くね。

あなたに伝えたいことはたくさんあるけど、ひとつめはやっぱり「ありがとう」です。

ママは結婚したり子どもを産んだりする人生を送れると思ってなかったです。そしてそれは半分当たって、ママは結婚はしませんでした。でも半分は外れてあなたが私のところに来てくれました。これがどれほどうれしくて幸せなことか、ママには説明ができません。それくらいすごいことです。あなたとずっとずっとあきるまで一緒にいたいと思いました。

でも、本当はそれではダメなのかもしれない、ととちゅうから思うようになりました。あなたは私のものでは無いから。あなたはあなたのものだからです。私はあなたといられて本当に幸せだけど、それは私の幸せでしかないから。かならず私と別れる時がくるので、それでもあなたが幸せに生きていけるようにかかわっていきたいと思うようになりました。

これはあんがい難しくて、どうやったらいいのかこれを書いてる今もよくわかりません。でも、私の人生に参加してくれたあなたにはぜひ幸せになってほしいです。これがふたつめかな。

みっつめは「大好きだよ」です。好きすぎてわけわかめ!なくらいあなたのことが大好きです。笑っても泣いても怒っても全部好き。あなたも私を大好き、といつも言ってくれますが、たぶんママの方が何倍もあなたのことが好きだと思う。ママとしてはあなたにママより好きな人が現れてほしいと思う。そうやって大好きな人がいる人生を送ってほしいな。

生老病死って知ってるかな?人に起こることが並べてあるんだけど、みんな生まれて、年取って、病気になって、最後は死にますっていう話。

あたりまえっちゃあたりまえなんだけど、みんな人生初めてだから、いろいろなやんだり悲しくなったりするわけ。

ママは病院で働いていたからこのことを考えることが多くて、今回がんになった時は正直こういうことを考えるのになれすぎてあんまりつらくなかったんだよね。なんか不思議。でも、あなたとお別れすることになるかも、ということについてだけは泣けたなぁ。仕方ないことなのにそこだけはしんどかった。

幸運なことにママとあなたのまわりには私たちを応援してくれる人がたくさんいて、その人たちのおかげでいろいろ乗り越えることができたな、って思ってます。これからもみんなと仲良く、あなたが助ける人になる番も回ってくると思うので、そのときはがんばって下さい。

生老病死は避けては通れないけど、みんなで生きていけば幸せに生きていけると思います。

どこで会えるのかわからないけど、またきっと会おうね。

ママより



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