何の花_

「めざせ! Jリーグ」

「地区選抜チームに選ばれたww」
もうすぐ40歳に届く息子からLINEが入った。コメントの後に〈ゴ~~~~~ル〉を意味する絵文字が並んでいる。

孫はサッカーをやっている。小学5年生の男の子だ。
その孫が欠員補充のための選抜チーム実技試験を受けて合格したという。
欠員補充は5人。そこに50人が集まってきた。

試合形式で一人一人の動きを観察し審査、選考されるようだ。

しかし、「いいアピールが出来ずに終わった・・」息子はそう言って肩を落としていた。「普段はいい動きができるんだが、試験となると実力を発揮できないタイプなんだ」
思うようにならないわが子に多少のいら立ちを見せていたと思う。


息子は自らわが子を指導し、土曜、日曜はほとんどサッカーのために費やしていた。学校が夏休みに入ると練習試合はほぼ毎日のようにあるので、息子も当の孫自身も心身はへとへと状態だったのじゃないだろうか。
「力量の入れどころを間違えないように」と、やわらかく孫の教育について一方的にならないよう助言するのだが、どういうのか孫の負けず嫌いは父親譲りでサッカーはうまくなっていくし、勉強も決して落ちることなくがんばっていたのだ。
「勝ち取れた!」
息子の、素直な喜びだった。

わたしもうれしい。
孫は細身の体形で見た目に軟弱に見えたし、家ではゲームばかりやっていた。ほかに何か打ち込めるものを・・、と思っていた。小学4年生になって学年を主体にした地域チームに入り、まずはボール遊びから始めた。

熱心だったのは父のほうだった。
学生時代にサッカーをやっていたこともあってボールに触れるのがうれしく、また近年のサッカー熱もあり、わが子がサッカーをやることの期待は大きいと思う。「J-1選手への第一歩・・」と期待は膨らむが、この子ならいつか成功するかもしれないとその瞬間を想像する息子とわたしである。

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