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銃に困るいち創作者としてありがたい、C-POM様の『「思想」でひも解く銃の歴史』シリーズ。

 先日ご拝見させていただいたC-POM様の銃を歴史と思想から解説する動画がめっちゃくちゃ面白かったという記事。

 武器……中でも銃はいろんな作品で見かける武器だ。だけども、この銃というもの、まったく筆者にはわからなかったしいまもそこまでわからん。
 筆者はTRPGのGMをはじめ、二次創作をよく書く身だ。銃器が出る作品も多い。
 つまりは、二次創作を書いていくうえで筆者はこれまでもこれからも銃に苦しめられるということなのだが……

 このC-POM様の動画シリーズ、銃の思想(設計思想)というものを軸に付随する背景や環境を解説してくれている。
 筆者自身がずぶの素人ゆえに内容が正しいのかといったことは分からないが、関係する歴史的出来事や設計思想も併せて紹介してくださるので素人の自分にとってはありがたい情報ソースだ。

 ことTRPGのGMとしてはこれほどありがたい銃関係の動画もない!見てくれ!

 と、おおむね言いたいことは言ったのでこれ以降は特に印象深かったことは思ったこととか。要は本格的なチラシの裏パート。

 なお、C-POM様のtwitterにリプライにて掲載許可をお願いしておりますが、氏のtwitterがここ2年ほど動いていないようで、お返事頂けるか自体分からなくなっております。
 本記事の段階ではいわゆる無許可掲載です。そのため掲載の不許可をいただく、ないしのちのちコンプライアンス的に無許可掲載等は不適切であるなどの場合、この記事は即座に削除いたします。


まとまっている内容で銃を見る目と知識=基準が得られる

 この動画以外にも銃の動画はたくさんある。ただ、個々の銃に関しての動画や、個々の銃の歴史動画はあっても、銃そのものを追った動画は多くない。
 特定の銃の解説などを見ても、「あ~そんな機構?なんだ~」「あ~丈夫だから色んなとこで使われたんだねぇ~すごいねぇ~」「すごく弾が連射できるんだ~」くらいにしか感じ取れない。その程度しか感じられないくらい知識がない。
 なんってったって銃に関しては無教養だからね!

 1分で何発撃てるとか、有効射程がいくらだとか、いくつ作られたとかどこで作られたとか聞いても、いくら銃の話を調べても聞いても見ても基準がないから分かんないのであった。
 だが、本動画シリーズはその基準から丁寧に育ててくれる動画だと感じている

 例えば、1本目の動画では、動画コンセプトを解説したのちに1700年代初頭のマスケット銃と、それの用いられ方である戦列歩兵から話が始まる。
 この時点でめちゃくちゃおもしれーんだ。

 マスケット銃と戦列歩兵、ご存知だろうか。筆者は知人にちょっとだけ銃を聞きかじったから知ってはいた。
 マスケット銃には溝=ライフリングがなくて射程が短い、前=銃口から弾を込めるんだけどこれが大変で連発ができない。
 だから横に並んでせーので撃って、弾を込める間は他の人が射撃をする戦列歩兵の戦い方がメインだった。
 火打石で撃つか火つけた縄で撃つかの違いはあっても、要は火縄銃っしょ?くらいの認識。織田信長だって長篠の戦いで似たような戦い方をしてたわけだし。

 上の内容は知人に教えてもらった時の内容だ。
 当然自分も無知ながら質問をした。「じゃあライフリングつけたらいいんじゃない?」当然それには「技術が追い付いておらず無理だった」と言われた。
 そうなんだぁ~と自分はそこで質問を止めてしまい、彼もそれ以上は言わなかった。
 
 だが、この動画では「それが無理だから、工夫をする、どうやって工夫をしたか」と続くのだ。それができる、できないだけではなく当時の人たちの努力と工夫と歴史がちゃんと紐づいて話をしてくれるのだ!
 引き合いには出したが、無論彼を貶めたいとかそういう意図はない。

 マスケット銃の話に戻ろう。動画ではこう続いている。
 「前から弾を入れる以上、銃口よりちっちゃいほうが入れやすいよね。でもそうすると銃身の中で跳ね回っちゃってまともに飛んでいかないよね」
 「じゃあ銃口にできるだけ大きさを近づけたら性能は上がるよね。でも弾を込めるのがすごく大変になっちゃう。弾を込める棒(ラムロッド)を木槌で叩いて入れるくらい大変なんだ」
 「こうやって弾を込めてたんだよ(動画の挿入)。包みを口でかみ切って、火薬を入れて、弾を入れて……大変だね」
 「ある時期ライフル銃が生まれるんだけど、これ作るの大変=高価だから、兵ひとりひとりに持たせるには向かなかったから狩猟の銃の側面が強かったよ」
 「そしてとある弾丸ができたおかげでライフル銃は普及するよ。発射するときに大きくなって威力と射程が伸びたよ。でも弾を込めるときは小さいから込めやすいんだ。開発者のひとりの名前をとってミニエー弾っていうんだよ」
 知らなかった~!おもしれぇ~!

 知らんかった内容も多いしめっちゃ面白い。
 情報のまとめ方が丁寧であり、話の展開も順序もテンポも良い。視覚的情報として画像や動画も適宜出てくるため目で見て分かりやすい

 マスケット銃が有効射程50メートルから100メートルくらいだったらしいんだけど、ライフル銃とミニエー弾の場合だと300メートルくらいだったらしい。
 こうやって見てみると「一気に射程3倍じゃんすげー!」ってなるわけですよ。ナンバリングがうろ覚えですけど、どっかの銃が出てきたときに有効射程1200メートルって出てきたときに目ん玉ひん剥いたもんな。
 ミニエー弾の4倍!!??!!??!!?!
 
 今までは「有効射程nメートル……?なんか分かんないけどすごいっすね」くらいだったのが、基準ができると一気に面白くなる。
 マジですげー面白いんよ。

銃は戦争の歴史と、人々の事情が絡んでいることも分かる

 C-POM様のこの動画シリーズでは銃そのもの以外にも、事情や歴史もちゃんと説明してくれる
 素人である筆者にとって銃とは「なんかトリガー引いたら弾が飛んでく武器」くらいにしか考えていなかった。
 「銃は金がかかる」というのがそもそもの盲点だった。

 例えば銃1つが10万のものと15万のものがあったとして、「わーどっちも高いなー、でもいいものなんだし15万のほうが良い=強いんじゃない?」くらいの感覚だ。
 銃を軍に配備する、つまり千や万単位で発注するという感覚がそもそもない。これを10万丁発注したとして100億かかる。
 100億!!?!?!?!書いていてびっくりした。これが15万のほうだったら150億かかるわけで。しかも弾はまた別途かかるわけじゃん?そんで輸送費がかかるわけじゃん?
 そのうえ、武器には用途がある。つまりは使った人たちの事情がある。

 使った人たちの事情では特に印象深いのは「アメリカ南北戦争」だ。
 南北戦争と聞いてどんなものを思い浮かべるだろう。筆者は「アメリカが南北に分かれて戦った戦争」だった。名前の通りのことしか知らねぇじゃんこいつ。
 北は工場が多く工業力に優れるため、輸入品に関税をつけて自分たちの商品を買ってもらいやすいよう保護貿易がしたい。
 逆に南は綿花だかの生産地らしくそれを買ってくれる外国が後ろにおり、関税をかけない自由貿易がしたい。
 という各々の事情があったらしい。知らんかったそんなの。
 南軍の武器はいまだに前から弾を込めるライフルで自分たちで武器を生産できるわけでもない。
 この当時レバーライフルと呼ばれる進んだライフルもあったらしいが当然高価。だから北軍はわざわざレバーアクションを配備はせず、自分たちも同じような武器で戦ったのだとか。

 他にも南北戦争の話で面白かったのは「資源としての銅貨(金属)」だ。
 これはレバーアクションを配備しなかった背景のひとつとして語られている。
 当時の金属製薬莢は銅、今では合金に変わったものの結局銅を用いているらしい。
 レバーアクションは弾をたくさん撃てる、それ自体は素晴らしいが弾薬の消費が一気に増してしまうのは当然。薬莢の再利用などは難しかったらしく、材料としてとっておいた銅を撃ち尽くした場合、既に何かになっている銅を溶かして使うしかないだろう。
 つまり、硬貨を弾にするわけだ。本邦でも戦中は金属供出があった。
 へー、鍋やお玉も武器にしたんだとは思ってたが、「お前の10円玉を弾にする」というのは、鍋やお玉を弾にするのと同じことであるというのを感覚で分かっていなかった自分には驚きだった。
 そして動画では「硬貨という形にしておけば捨てられもしない、保存しておくアイディアとしてこれ以上はない」とも語っている。
 人間ってすげぇな……。

 必要は発明の母とは言うが、つまりは発明の裏には事情があるのだ。
 筆者は素人であるがゆえに余計にこの事情も解説してくれるこの動画シリーズを気に入っている。
 いやマジでこの動画シリーズ含めyoutubeの解説系面白れぇんだよな。無料でこれか……。
 自分はずぶの素人ゆえ解説系の動画が本当に正しいかは分からないが、入りとしては本当にありがたく拝見させて頂いている。

 歴史でいえば、また別の動画投稿者の方で歴史系ゆっくり解説の方がいらっしゃる。
 その方の以前の動画で硬貨の歴史があった。そこでは、通貨としての紙幣は欧米で普及したのはここ100年(200年だったか?)くらいのことだと説いている。
 逆に中国はかなり早い段階で紙幣を通過として流通させているし、日本も比較的早いのだそうだ。
 ということは、英米で硬貨を弾にした時の影響はアジアよりも大きそうだなとか、インフレ進みそうだなとか、もしかしたら南北戦争でレバーアクションを整備しなかったのはインフレを抑えたかったのかもなとか。
 そんな風に考えられもする。これが正しいかは知らない。

 いやぁ知るって、歴史って面白れぇんだな。

歴史って面白れぇし、面白いように伝えられる人ってすげぇわ

 この一言に尽きる。
 面白いものを、面白く伝えられる人ってすげぇな。
 学校の勉強も面白いと思ったことはあったけど、ちゃんとこうやって筋道立てて何かを理解するのは本当に面白いことだ。
 けど、学校の勉強が面白くないこともあったように、教える側、教わる側の不一致もあるだろう。
 
 ありがたい先人たちの動画をいつも楽しく見させてもらっています。
 こういうところでありがたく知識を吸わせてもらって、いつもTRPGシナリオとかを書いています。
 マジで感謝。

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