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わたしへ

二年前、ある節目に 二年後のわたしへ
というタイトルで手紙を書いたのを ふと思い出した

二年前となるとまだ未成年だった私は
付き合っている男の子が発するあれこれを
瞳をときめかせながら一生懸命吸収していた

きっとその手紙にはUくんとはまだ付き合っていますか?別れていたらごめんなさい、でも楽しく過ごしていることでしょう

なんてことが書かれているんだろうな

足らない言葉よりも近い距離を好み理解しているように感じていた、忠告は現実になっている

なんて大それたことを夢見てしまったんだろう
あんな傲慢な類の愛を押し付けたり

幼いながら、愛し、愛し、愛され、傷つきまた愛し合っていた日々

戻りたいとは思わないが、あの日々のことを思い出すとあんなに真っ直ぐな気持ちで人を愛していた事実を誇らしく思う 私たちは本当に二人で生きていこうと考えていた 

もうわがままなど言えないことはわかっているから
明日の海に、少し左の船が置いてある私の場所へ来てなんてとてもいえない

僕たちが一緒にいるべき人は僕たちではない

海に行くといつも思い出してしまう

来年になったら、海も、君と会うことも、寂れた商店街も、登るのが億劫な山も、ないけれど
自分が持っている数少ない美しいものとしてまだ持っていてもいいかな?

いつかまた街で会っても強くなったななんて思わないで、年の割に繊細な心は、何かを跳ね返しそうなほどの赤い口紅と指一本触れるのを躊躇うような毛皮で覆われて、覆われて きっとわかってくれる人はいるのだろうけど、臆病な私はその一歩を踏み出せず、相変わらず孤独です ねえ SNSなんかじゃあ 本当のことなんかわからないんじゃないの?

この街と君が正しいのにね

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