首周りを温めろ

誰も見ていないだろうから書きたいことを書く。

何をしても上手くいかない奴はとりあえず首周りを温めろ。
なぜか。
あなたの抱くであろう質問に対するとてもシンプルな答え:心身は連動しているから。
人間は寒いと機嫌が悪くなる、自明だ。後は空腹時、運動不足、睡眠不足とかね。

別に君が抱いてる悩み恨みつらみ不満苛立ちままならなさ切なさもさみしさも孤独も絶望もなにもかも大した問題じゃあない。不健康な生活がちっぽけな感情を肥大させているだけだ。お好みならこのとてつもなく広い電脳空間から茶碗に盛られた米粒ほどの数エビデンスを披露してやってもいい。あるいは三島と太宰にまつわる逸話のひとつでも思いだしてみるといい。器械体操をしろ。

まず首周りを温めろ。で、美味い飯を食って寝ろ。
背中にカイロを貼り付ける、ネックウォーマーを部屋にいながらも四六時中つける、光熱費を気にせずにヒーターをガンガンに焚く、なんでもいい。そうすると首周りがだんだん温まってくる、当たり前だ。そうしてその次に精神的な余裕が出てくる。今までつらかったことに対してのあまりにも悲観的な諸々がちょっとだけいい方向に向かうのではないかって気がしてくる。首や肩回りの筋肉のこわばりがほぐれてきて安眠ができる。翌日以降も待っているあまりにも厳しい現実に再び立ち向かうだけの気力をすこしだけ回復することができる。

そんなわけないだろ、とあなたは思うだろう。

それはそうだ、当たり前だ。何かを何かたった一つの原因だけに還元してしまうようなやり方はアカデミズムの世界ではもう何十年も前に批判しつくされている。別に俺だってマジに首周りを温めるだけで人生が好転するだなんて思っちゃあいない。

でも実践においてそれは有効だ。それっていうのは還元主義的な態度のことで、絶対的な超越者を信じる奴もいるし自然科学が好きな奴も相対主義のニヒル気取りもアイドルオタクも哲学者気取りも無気力野郎も詩人もみんな自分の理念を持っている。要は物事の捉え方の話で、君の人生がクソみたいにつまらないのは君が首周りを温めていないからだし、自分に都合のいい論拠を探し続けろ。なんなら別の物でもいい。人生を楽しく過ごせ。

それでも、あらゆる手段を尽くしたうえで君の世界で最大の不幸を(当然だ、君は君以外の存在を生きることができないだろうから)一ミリたりとも癒すことができなかったらば、その場合の君はおそらく天性の詩人だ。詩を書け。人生の不幸を書き続けろ。で、ここにでもどっかそこらにでも載せてくれ。君はそのちっぽけな承認欲求を満たすことができる。

次はわたしの好きなものについて書くつもりだ。このブログは週に一回以上更新される予定で、毎週別の奴が書くので二か月後くらいに僕の二回目のターンが回ってくるはずだ。俺の名前は爆走三輪車熱海、よろしくな。君も人生が依然としてつまらなかったらまた来るといい。半ば待ってるぜ。じゃあな。

(爆走三輪車熱海)

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