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米国裁判所、AIは特許出願において発明者となることができないと判断

 アメリカ合衆国の連邦地方裁判所は、2021年9月2日、特許出願においてAI(人工知能)は発明者となることができない、との判断を示しました。

 以前の記事で紹介しましたとおり、オーストラリアにおいては、特許出願の願書においてAIを発明者として記載することは許されるとの判断が、2021年7月になされています。
 しかしながら、米国においては、同じ出願人(Dr. Stephan Thaler)が行った米国特許出願について、米国特許商標庁(USPTO)が、AIは発明者となることはできないとの判断を示していました。

 USPTOの上記判断の取り消しを求めて提起された訴訟において、連邦地裁(バージニア州東区連邦裁判所)は、特許法上、発明者は「individual」である必要があるとされているところ、この単語の通常の辞書的意味、および特許法の文脈に照らすと、「individual」は自然人を意味するものであり、AIは「individual」ではないから発明者となることはできない、と判断しました。

 なお、出願人側は、今回の連邦地裁の決定を不服として、連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)へ控訴する意向を示しているとのことです。

(文責:乾 裕介)

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