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Worlds ベスト8チーム紹介 その1

 皆さんこんにちは。Kubocciです。Worlds、楽しんでいますでしょうか。スイスステージも佳境に入り、残り少ない枠を奪い合う緊張感は名試合を数多く生み出してくれています。
 本日はその緊張から一足早く抜け出したGEN.GとJDGから注目の選手を3人ずつ紹介していこうと思います。よくご存じの方もそうでない方も、楽しんでいただければ幸いです。
 なお使用しているチャンピオン画像はRiot公式から引用させていただいています。リーグ・オブ・レジェンド (leagueoflegends.com)


満を持す最強チーム 念願のWorlds制覇なるか GEN.G


名実ともに世界最強MIDレーナーへ Chovy

 世界最強の選手は誰か。ありとあらゆるスポーツで議論されるこのテーマ。答えが大きく分かれる業界も多い中、LoLの世界では長らく王者に君臨しているプレーヤーがいる。
 そう、みなさんご存じ、T1所属のFakerだ。3度の世界王者に輝き、昨年にはあわや4度目の栄冠を掲げる寸前までいった同選手は、LoLの最強の代名詞と言っても過言ではない、生ける伝説そのものである。
 しかし、いくら偉大とはいえ、Faker選手にもそろそろ世代交代の引導を渡す必要がある。その筆頭がこの男、Chovyだ。2018年に、名将cvMaxによって見出された彼は、瞬く間にその才能を発揮した。デビュー当時から最高クラスのレーン戦技術で名を馳せ、多くのMIDレーナーに影響を与えてきた。                また、彼の特徴として生存能力の高さが挙げられる。Pick'emの最高KDAに選出した方も多いのではないだろうか。圧倒的なCS精度によるファームから繰り出される集団戦でのダメージは、Chovy選手の最大の魅力であると言えるだろう。
 最強候補として長く挙げられているChovy選手だが、ここまでの5年間でLCKこそ何度も制しているものの、Worldsの頂には届いていない。今年こそはと、ファンも本人も大いに燃えていることだろう。チームとしての練度も非常に高いものに仕上がっており、スイスステージでは堂々のストレート突破を果たしている。

Chovy選手の代名詞的ピック アカリ

 そんな彼の注目ピックはアカリだ。すでに行われた4試合のうち、2試合でピックしており、T1 Faker選手のオリアナ、G2 Caps選手のタリヤという難敵を打ち砕いている。厳しいレーン戦をその卓越した技術で乗り切り、集団戦では変幻自在の動きで敵チームを翻弄する。観客だけでなく敵チームまで魅了してしまう忍は、世界の頂点をつかめるのか。ぜひ、目を離さないようにしていきたい。


GEN.Gが生んだ若き天才BOTレーナー Peyz

 先ほどは世界最強の選手は誰かと問うた。では世界で最も有力な若手選手は誰か。様々な選手が挙げられるだろうが、その先頭を走っている一人がPeyzであることは疑う余地がない。現在若干17歳、Gen.G Academy出身である彼は、2023 SpringからLCKに参戦すると、すぐさまその実力を見せつけた。
 当時OP(Over Power)だったゼリを筆頭にヴァルス、ルシアンなど、計10体のチャンピオンを披露し、Total KDA 6.03と高いパフォーマンスを発揮。シーズン2位に大きく貢献した。これは1位になったT1 Gumayusi選手の5.05を上回る数字であり、Peyz選手のポテンシャルを証明する一つの要素と言っていい。ちなみにその後のPlay offではT1を3-1で下し、LCK1位としてMSIに乗りこんでいる。そのMSIでは惜しくも4位に終わってしまったが、彼にとっては貴重な国際大会の経験になっただろう。
 
 そして迎えたLCK 2023 Summer。Peys選手はSpringを上回る驚異のパフォーマンスを見せた。Total KDAは6.81、合計12体のチャンピオンをピックし、メタの中心だったカイ=サに至ってはKDA 8.2と素晴らしいスタッツを残している。シーズンを経るにつれパフォーマンスを上げ続けているこの新鋭は、多彩なピックとメタに順応するセンスを携えており、経験豊富なチームと共に虎視眈々と世界を狙っている。

徐々に評価の上がってきているゼリ

 Peyz選手の注目ピックとして取り上げるのはゼリだ。OPだったSpringではPeyz選手が得意としていたチャンピオンである。10/26 C9-FNC戦までの、スイスステージ35戦の中では4戦3勝を挙げており、引きながら戦う構成を選択した際には重宝するピックとなっている。GEN.Gは1度も採用していないが、Worlds全体では徐々に評価されてきているため、今後Peyz選手の手に渡ることがあるかもしれない。その際には、彼の素晴らしいハンドスキルによって、大きな輝きを放ってくれることだろう。


目指すは2017年の雪辱 LCKきっての老練ジャングラー Peanut

 世界を目指すには、ありとあらゆるシチュエーションに対して正確に対応する経験値が必須である。GEN.Gに落ち着きを与える屋台骨こそ、LCK屈指のベテラン、Peanutだ。 
 彼は2015年から競技シーンで活躍しており、そのキャリアの中で多くのタイトルを獲得している。しかしWorldsではまだ優勝できていない。MSI 2017でSKTの一員として世界を獲った男が、Worldsという最高のタイトルを手にすることができるのか。2017年Worldsでは決勝で散ったPeanut。その頂にふさわしいチームメイトと共に、ノックアウトステージへと進出する。

 今シーズンはヴァイやマオカイ、セジュアニなどでエンゲージを担うことが多く、チームメイトからの信頼も厚い。そんな中、Worldsではなんと4戦ですべて異なるチャンプを選択している。カ=ジックス、リー・シン、レル、ヴァイの4体だ。チームとして余力のあるうちに最適なピックを模索しているような印象を受けた。

T1、G2がともにBANしたPeanutの得意ピック

 注目ピックとしてはやはりヴァイだ。Worldsでの4戦のうち3戦はBANされていた。オープンされたGAM戦ではKDA 7/2/9、22分でのゲームエンドに大きく貢献した。
 とはいえさすがにチーム間で力の差がある試合だったためこの数字をどこまで評価していいかはわからない。ノックアウトステージで開いた際にはどれほどのパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだ。



圧倒的な個人の質で史上初のグランドスラムへ JDG


Chovyと双璧をなす、もう一人の世界最強 Knight

 このような書き方ではLPL軽視のように見えるかもしれないと危惧しているのだが、順番が逆なら先にこちらを世界最強MIDレーナーとして紹介していたのでご理解いただきたい。
 
 LPL最強の名をほしいままにしているのがこの男、Knightだ。2019 Summerから昨年度のWorldsまでTop Esports(TES)に所属していた彼はWorldsでの実績こそ芳しくないものの、国内リージョンでは無類の成績を誇っている。JDGに移籍した2023 Springではシーズン優勝に加えMSIも制し、さらには2023 Summerまで優勝を果たした。
 LoLの歴史上初のグランドスラムに王手をかけた超強豪チームのエースとして、その圧倒的な実力をどこまで見せつけてくれるのか。多くの実力者が集う中、注目が集まっている。

 そんな彼の最大の武器は、類まれなる集団戦の破壊力だ。LPLのアグレッシブな仕掛けから始まる混戦の中でのスキルドッジ・ショットの精度は群を抜いており、不利な状況をスキル一つで打開してしまうシーンも珍しくない。ある意味ではKnightはLPLのMIDレーナーの極致と言えるかもしれない。

Knight選手の特徴が最大限に出るピック アーリ

 2023年、年間20戦19勝を誇るKnight選手の得意ピックがアーリだ。自由自在な立ち位置をとれるこのチャンプは、彼の最大の魅力である決定的なスキルショットのチャンスを多く生み出してくれる。今大会でも一度ピックしており、その安定感を見せてくれた。上位チームとの戦いとなるノックアウトステージでも、集団戦を破壊する姿が見られることに期待したい。


Knightとともに世界一の頂へ 仕事人TOPレーナー 369

 現在22歳の369選手。17歳でLPLにデビューした彼はその年から遺憾なく、その力を発揮していた。2020年にはTop Esportsの一員としてKnightともにWorldsに初参戦。準決勝までコマを進めている。
 実はキャリアの半分ほどをKnight選手と同じチームで過ごしており、その連携はおそらく外野から見ている以上のものを持っているだろう。

 チームのために様々なピックができる彼は、今シーズンは多くの試合でタンクをプレイしている。チームに素晴らしいキャリーを抱えているからでもあるが、自身も高いパフォーマンスを維持しており、特にカ・サンテに関しては目を見張るものがある。

今でこそ高い戦績を残している369選手のナー

 ぜひ注目してほしいチャンピオンがナーだ。2023 Summerでは3戦3勝を挙げており、彼の切り札的ピックの一つになっている。
 Worldsでは未だに見せていないナーだが、369選手のナーには少々面白い話があるので紹介しておく。
 2021年、TESに所属していた当時、Karsa選手やコーチから、お前はいつになったらナーが使えるようになるんだと叱責されたのである。新チャンプをマスターするのに時間がかかるタイプなのかもしれないが、今や様々なチャンプを使いこなす369選手。ナーはその努力の象徴的ピックなのだ。


筆を選ばない弘法 世界を制したADC Ruler

 Worlds 2017 3連覇を目指していたSKTの夢は決勝で砕かれた。ストレート3-0で下したそのチーム、SSGのADCこそが、Rulerその人である。
 2023 SpringからGen.GからJDGへと所属を移した彼は、早々にリージョンを制覇し、勢いそのままにMSIをも制してしまった。チームへのフィット度など、彼の前ではもはや関係がないのかもしれない。
 
 現在メタとなっているザヤ、カイ=サのどちらでも高いスタッツを残しており、先日見せたカリスタに至っては完全にゲームを破壊してみせた。

最高水準のレイトゲームキャリー アフェリオス

 Ruler選手が得意としている秘蔵子がアフェリオスだ。レイトゲームキャリーとしてはジンクスと並ぶLoL最強の一角である。Worldsでも徐々にピックされてきており、破壊力は折り紙付きだ。ザヤやカイ=サの取り扱いが一層難しくなるノックアウトステージに向けて、このチャンピオンを強く使えるかどうかは勝負を分けるものになるだろう。


 以上、6名を紹介させてもらった。LCK,LPLを1位で制した両チームは下馬評通りの実力で、スイスステージ突破を決めている。ノックアウトステージで当たった暁には、間違いなく世界最高峰の戦いを見せてくれるだろう。筆者としてはやはりChovyとKnightのどちらが世界最強の名を持っていくのか、非常に楽しみにしている。 


 水曜日には残りの6枠のチームから一人ずつピックアップして紹介する予定となっております。よろしければそちらもお願いいたします。ではまた。


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